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大阪編 その5 始まり
ララララ。
惟片は電話に出る。着信相手も見なかった。
「なんだ。」
「美美子がいないんです。」
「あ? 安藤か?」
「はい。家に行ってみたんですけど、いなくて」
「美美子とデートの約束でもしてたのか。」
「はい・・・・・・。すみません」
「ハロウィンの日は誘わないって言ってたのに? 何で無視した。」
「そんなことより美美子を・・・・・」
「何で無視したか聞いてるんだ!」
この馬鹿が。惟片は携帯を助手席に放り投げる。クーラーの設定気温を上げ、音楽のボリュームも上げた。スピードを上げ、白プリウスに横から思いっきりぶつかりへこませる。窓ガラスがわれ、周囲に散らばる。幸いフロントガラスは割れなかった。




