破滅フラグよりも凄いのが来たかもしれない
え~……最初に謝ります。主人公の体調不良の話の時に吉良との話の後、本当は姉との話があったのですが、見事に無くなっており、追加しました。
見て下さる方にはご迷惑おかけしましてすみませんm(__)m
荒巻君を学院に行かせるという指令をやり遂げた僕はやっとの休日の朝を迎え、お腹が減ったので食卓に行こうと部屋から一歩踏み出したところで―――――――魔女に出会ってしまった!?
「夕夜、話があるの」
「………………」
何? 何なの、このフラグは?
ま、まさか今流行りの破滅フラグ!?(?)
魔女――――いや、姉でした。
…………ハッキリ言ってこの姉からの『話がある』は不吉の予兆としてしかないと思う。
ていうか、晴れやかな朝で、更に休みという僕にとって幸せな日となる筈だったのに…………姉から話があると言う。
たぶん、いや絶対この間の身体の不調と関係があるに違いない。
…………嫌だけど、嫌だけど!(大事だから2度言う)
聞かないと後悔するだろうから聞くしかないよね…………。
★ ★ ★ ★ ★ ★
自宅のリビングでソファに座り姉と向かい合わせに座る僕。
「…………それで、話って何?」
「この間、夕夜が倒れた時があったでしょ?」
「うん」
やっぱり! 本当嫌な予感て当たるから嫌なんだよ…………。
やっぱり破滅フラグ来るのか?
「それで、あんたの身体を検査して分かった事なんだけど、今夕夜のホルモンバランスが不安定っていうのは言ったわよね?」
? …………ああ!? そういえば、吉良と友達になれてすっかり忘れてたけど、その後になんか姉が僕のホルモンバランスが急に身体が変わったことによってなんか女性ホルモンが多くなっちゃって男性ホルモンが凄く少なくなったから発作が起きて倒れた~~とか何とか言ってた?(気絶したのであまり覚えてない)
「それで? そのことが話に関係あるの?」
そう聞くと、姉は言いづらそうにコクりと頷き…………
「実はその発作の時に男性ホルモンの注射を打って落ち着かせたんだけど、それは運が良く治まっただけで次に発作が起きてもその注射は効かないのよ」
「ええ!? 効かないって……じゃあどうするのさ! また高熱が出てうなされるなんて嫌だよ!!」
冗談じゃない! この身体になったのはもう諦めが出てきたけど、苦しい思いをするのなら男に戻してほしい!
…………まあ、無理って言われたけど。
そんな僕の心情を知ってか知らずか姉は淡々と言った。
「でも、1つだけ方法がある事が研究で分かったの」
「え…………」
それって何!? あの苦しみが無くなるなら何でも良いよっ!
っていうか本当に僕男に戻れないんですか――――っ!?(往生際が悪い)
「それは…………」
「それは…………?」
ゴクリと息を飲む音が静寂の中響く
「男性と(濃厚な)キスするだけで発作が治まるの」
ドーン!!
「…………」
はて? 何やら変な幻聴が聞こえたよ…………僕疲れているのかな? このところ色々あったからな~~~~
「夕夜、現実逃避したいのはわかるけど、本当にキスをするだけで治まるのよ」
「………………」
見事に僕の予想斜め上を行く思いやりと言う名の剣で僕はひと突きされました!
ていうか、キスって何だ! 何でキスで治まるんだよ!!
どっかのラノベの魔法とかある世界じゃないし、ましてや王子様のキスで姫が目覚める! とかじゃないし……その結果とやら間違ってるんじゃないの?
はっ!? なら僕、男に戻れる!?
「落ち着いて説明を聞いて頂戴。女性には女性ホルモンと男性ホルモンがあってね――――」
なんか姉が生物の仕組みみたいなのを話始めましたよ。
「それで、普通女性ホルモンの乱れはストレスから来るものなんだけど」
僕のストレスは姉よ、貴方です。貴方が結構元凶な部分が多々ありますよ!! それが僕の発作理由なの!?
「本来ならストレスが原因で体調不良になるのだけど、夕夜は薬のせいで男から急激に女に変わったから身体のホルモンバランスが一気に変えられたせいで発作が起きるようになってしまったの……簡単に言うと男性ホルモンが多かった身体が急激に女性ホルモンがどっと増えて対処しきれない身体が拒否反応をしている感じかしら?」
…………姉よ、段々説明がわからなくなってきました。だけど、1つだけ分かったよ……その反応から見るに、僕は男に戻れない事決定なんですね! がくり(´д`|||)
「だから通常では対処出来ないと思って研究をした結果、さっきの男性とのキスをすれば治まるという結論に至ったの」
何でそこに至るんですか!? もっとあったんじゃないの?
というか、何で僕が男とキスしなきゃなんないんだ――――!!
「ちなみに何故キスかと言うと、男性と女性のキスによって出る男性ホルモンのテストステロンと言うホルモンがね――――」
…………またホルモンの話を始めたよ。もう、いいや。
姉に言っても無駄だと悟った僕はふと気付く
(…………あれ? でも僕、男性とキスってどこかで――――――ああっ!?)
思い出してしまった…………。
荒巻君の家に行った時のことを…………ゲームの話やら友達になれて浮かれて忘れていたけども、やってしまったではないか!!
そう! 荒巻君の部屋に連れ込まれた時に!
距離の近さゼロ距離でしちゃったんだよ――――――!!(泣)
あの時は触れるだけだったけどさ…………僕のファーストキスだったんだ…………。
そして、途方に暮れる僕に姉はとどめの一撃をおみまいしてくれました。
「ちなみに、発作はいつ起きるか分からないから定期的にした方が良いと思うの」
誰か――――! 僕を異世界に連れてって――――――!!
破滅フラグよりも凄いのが来た僕は遠い目をしながら遅い朝ごはんを食べるべく、ノロノロと食卓に歩き出したのであった…………。
見て下さりありがとうございます♪