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僕と私の秘密の約束  作者: 卯山
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小話 荒巻の悩み

これから他の人視点もちょいちょい入れていこうと思います(^_^ゞ



俺、荒巻 拓斗(16)は小さい頃から漫画やアニメが大好きだった。

きっかけは父親に仕事は何してるか聞いたことだったと思う。


父親に聞いたら「父さんは弱気者を助ける仕事をしているんだ」

との言葉でその時見ていた戦隊物のアニメを見ていて父親は悪と戦っている=ゴレンジャーだと子供だったからか、そう思いアニメを見はじめて――ハマった。


そして、俺は昔から口下手で目もつり目なせいか周りからは恐れられていた。

女子と喋るのなんか更に言葉に詰まって怖がらせて遠ざけてしまっていた。


こんな俺は中学の時に初めて男友達と出逢ったんだ。


ネットとかでは共通のアニメを見てる人とかと友達になってあのアニメのどこが良かっただとかこの場面は感動出来たとか熱く語ったりもしたが現実の日常では友達すらいなかったから出来た時には嬉しかった。


オタクだとばれないように振るまいながらの生活は大変だったけど、とても楽しかった。

学校帰りにゲーセンに寄って遊んだり(ゲーマーだとばれないようにしたり)ストリートバスケをしたり(某バスケアニメの影響で上達)そして、因縁をつけてくる奴等は潰した。(金持ちの為小さい頃から格闘術を習っていたら上達)


だから油断していたのかもしれない。


友達にオタクだとバレてしまったのだ。


彼は気持ち悪いという目で俺を見た。何が悪いんだ?


俺は誰にも迷惑をかけていないし、ただ、純粋にアニメやゲーム、漫画、ラノベが好きなだけなんだ!


誰にも非難されるような事はしていないのに、何でオタクって言うだけで煙たがられなきゃならない?


――――もう疲れた。



だから俺はもう人と関わらないと決めた。


だって、自分が好きな事を押し殺してまで付き合って何になるんだ?

精神的に潰れるだけだ。



そうして俺は中学を卒業した。



高校は親が受けろと煩かったから星影学院に入った。


どうやら成績トップの奴が生徒会メンバーとして入るという決まりらしく俺にも入れと手紙が来たが破り捨てた。


誰とも関わりたくないのに俺に構わないでくれ!



一人でアニメやゲームに浸っていたいんだ。




そうやって俺の平穏を保っていた時だった。

アイツがやって来たのは…………



ピンポーン


始めは頼んでいた荷物が届いたのかと思ったがすぐに違う事に気付く。

何故なら普通は配達業者はマンション玄関のロビーで足止めされるからだ。

それに俺はその時ちょうどゲーム等は頼んでいなかったのだ。


そしてチャイムは俺の部屋の玄関のものだ。本来ならば俺が通さなければここまで辿り着かない筈なのに何故?

そう疑問に思った時だ。


ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポ~~~~ン


「なっ!?」


誰だ!? こんな傍迷惑なチャイムを押す奴は!?

早く行って追い返さなければ!



そうしてドアを開けた先に居たのが1年B組の桜井 夕夜という少し――――いや、大分変わった女が俺の目の前に立っていたんだ。




◇ ◇ ◆ ◆ ◇ ◇ ◆ ◆




奴は他の女子とは全然違っていた。


俺を見れば大抵逃げるのが通常だが桜井は笑って俺と対等に話していた。

だが、俺は数ヵ月誰とも話していないし、女子なんてどうやって話せば良いのか見当もつかなかったせいでチンピラみたいな喋り方になってしまった…………。



「…………」


気を悪くしたのか黙ってしまった桜井に対して俺は気恥ずかしさと混乱からまたもや失敗してしまう。


犬を追い払う仕草を彼女にやってしまった。



心の中で俺は確信した。


ああ、これでまた人を傷つけてしまったのか、と。



だが、桜井は違った。


彼女は俺を脅して来たのだ。どこからか聞いたのか俺がオタクだと言う事をマンションの住人にバラすと。


一瞬呆気に取られていたが、すぐに理解すると彼女はチラホラと広い廊下を歩く住人に向かって叫んでいた!


「っ!?」



それからは素早く彼女の口を塞ぎ部屋へと連れ込んでいた。


そして、彼女に説教しようと口を開いた時に気付いてしまった。


距離が近すぎると…………。



母親だってこんなに近くで喋った事なんてないし、ましてや他人なんてもっと無い。

俺は彼女から離れるべく密着していた身体を離そうとしていた所で彼女、桜井が不審に思ったのか俺の方を向いてしまった。



俺と、桜井の唇が重なったんだ。



とても柔らかった………しかも女性だからかなのか凄く良い香りがしたんだ。

こんなこと言うと変態だと言われるかもしれないが凄く胸が高鳴った。


桜井は顔をほんのり赤くしながら平気そうに俺に喋ってくるから俺は「思わず慣れているのか?」と聞いたら桜井はファーストキスだと言った……ただ、恥ずかしくて他の話を振ろうとしたらしい。

その時の俺は何故か嬉しいような気がした。よく分からないが……俺は桜井の初めてを奪ったのだから責任をとらなければいけないだろう。

確か漫画で乙女のファーストキスは大切だと言っていた気がするから。俺が出来うる限り責任を取って結婚しようと思う。


そんな事を思っていたら桜井は「だからこれは事故だからノーカウント」だとまた言われた。

…………良いのだろうか?



それから俺達はいつの間にか部屋の中にいて、何故か桜井は俺のゲーム機やソフト等を凄いと言いながらキラキラとした目で見ていた。


女子でオタクと聞いたらキモいと言われると思っていたが桜井はどうやら違うらしい…………。

何故なら俺に「シミュレーションゲームって知ってる?」と言ってきたからだ。


俺は色々とゲームは手を出していたので無難にギャルゲーかと聞いたら桜井は乙女ゲームの事だと言う。


なるほど。女子なのだから乙女ゲームの方をやっているのが当たり前か。(別に当たり前ではない)


それならばと目的の物を捜し、桜井の目の前に差し出した。


彼女はそれを見てびっくりしたが、次第に俺の出したゲームソフトを見てこれまたびっくりした。

どうやら桜井も「彼アリ」を知っていたようだ。

だが、俺が持っていたのは「彼アリセカンド」だ。内容は前作はアリスが主人公だったが、セカンドではハートの女王(アリスと同じ16歳)が主人公でアリス達のその後を間近で過ごしながら生活していた主人公はこのまま平凡に過ぎて行くと思われた日常がまたもや不思議の国へと何者かに連れ込まれてしまう。


そこはトランプ達を罰するjokerが君臨する世界だった。

果たして主人公を連れてきた者は誰なのか? 主人公はこれから元の世界に戻れるのか? はたまたjokerの国で出逢った者達と恋をしていくのか…………選択を迫られる!


…………と言ったものだ。


やはり前作同様シナリオも良く、声優も豪華なので物凄く売れている。若手声優を使っているが、演技が上手いのも反映されていると言えるだろう。


しかし、桜井もゲームをやっているとは思わなかった。

あの学院は金持ちの息子や娘がほぼ通っているからそういう奴らはオタクとは分かり合えない存在として見ていると思っていたのに、桜井は違った。


何故だろう? そんな事が俺には喜ばしい事のように思えるんだ。他の奴と喋ったりしてないのもあってか人との接しかたが分からない…………。

女子なんてもっと分からない。


だけど、この悩みも桜井なら苦痛に思わないと思うのも謎だ。


俺はどうしてしまったんだろう?


ただ、今は桜井ともっとゲームの話をしたいと思う。






荒巻の悩みはどうなることやら…………解決するかは…………(;´д`)

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