災難は続くよどこまでも(泣)
おはこんばんわ! 夕夜です。
この頃季節も夏へと向けてなのか気温が暑くなってきてますね!皆さんもどうか気をつけて下さいね?
「ちょっと、聞いておりますの!?」
え? 今僕が何処にいるかって?
今僕は中庭の外れにある人気が少ない場所にいます。
え、何故かって?
それは――――
「私の話を無視するなんて良い度胸ですわね……」
「いえ、無視してません。ちゃんと聞いてマスヨ」
目の前の先輩、制服のタイを見るからに3年の先輩と後ろには2年と1年の子達が揃っている。
僕の言葉を聞いたリーダー的な先輩は気を良くしたのかまた説教を再開した。
「貴方のような庶民が何故、生徒会長であらせられる隼人様が気にかけるのか貴方は分かりまして? そう、分からないでしょうね。仕方ないから教えて差し上げますわ」
質問したくせに自分で解答するとか令嬢って変な人ばかりなのかな? いや、偏見はしちゃいけないよね……はあ、面倒臭い。
う~ん……昔も虐めはあったけど、男子は暴力でくるけど、女子は精神的に虐めてくるんだな……怖いわ~……。
何故、この面倒臭いことになったかと言うと、朝にはー君に拉致らられたところを生徒会長ファンクラブ、通称「隼人様を見守る会」に見られていたのが発端で、そこからリーダーである目の前の先輩に情報が伝わり昼休みの今、教室に来た先輩達に呼び出されこの状態になっております。
「……聞いておりますの!?」
「聞いてマスよ」
…………も~~~~~! 面倒臭い!! 早くご飯食べたいのに、何でこんなのに付き合ってなきゃいけないの!?
朝からはー君に捕まるし、クラスに戻れば質問攻め……僕の安寧は何処に行ってしまったの――――!?
………………
…………
……
うん、もういいや。逃げよう。
「貴方、私の話を全然聞いていませんわねっ!? 空返事ばかりして――」
「こんなとこでな~にしてんの?」
「「!?」」
? 何だこいつ? (めっちゃ柄悪)こっちは腹が立っているのにチャラい奴が来たな……しかもイケメンとか……もうイケメンなんて嫌いだ! このところイケメンに会うとろくなことがないし!!
…………ん? 何故か令嬢達が真っ青になってる?
訳が分からないうちにも令嬢達とチャラ男の話は続いていた。
「あ、あの、これは」
「ん~~確か貴方は会長のファンクラブのリーダーの木山先輩……ですよね? こんなところでこの子囲んで何しているんですか?」
そうか、木山先輩というのか。だからキーキー煩いのか……はい、すみませんでした。だって、心に余裕が欲しいお年頃なんだよ!!(意味不)
うっ……今日は最悪な日なの? 朝から魔王は来るし、昼は小姑先輩にイビられるわ、本当――――なんて日だっ!!(泣)
頭の中で色々と喚き散らしていたら小姑先輩が真っ青になりながらも言い訳をしていた。
「こ、これは違うんですのよ、久住様。私、この1年生が生徒会長である隼人様を困らせているから……」
「……困らせてる?」
おーい! 困っているのは僕なんですけど!!
……駄目だ、この人達に僕の話は通じない。もう逃げようか?
――――うん、逃げよう。
そ~っと離れようとしたところであった。
「ねぇ、君。会長の事、困らせてるの?」
久住とやらがこちらに振り向き逃亡失敗~……。
「え!? そんな事していません! 私は会長から頼まれて生徒会の手伝いをする事になっただけです!」
「んまぁ! 何て白々しいっ!」
「生徒会の手伝い……あぁ! 君が会長が言ってた子かぁ!」
久住……タイの色から見るに先輩の発した言葉に皆「?」となる。ちなみに僕も分からない。
「あぁ、ごめんね? 会長がさ、この間言ってたんだよ。生徒会が忙しくなるから今度会長の信頼する子が手伝いで来てくれるってさ」
「え……」
「そ、それは本当ですの……?」
「あれ? 俺の言うこと信じてもらえませんか? これでも俺生徒会のメンバーなのになぁ……」
しょんぼりとする久住先輩に他の小姑先輩達が慌てて言い募る。
「ち、違うんですのよ! 久住様を疑った訳ではありませんの! ただ驚いただけなんですのよ?」
「そうですよね! 先輩がそんな事言う訳ないですし、俺の勘違いか~。……じゃあ、先輩達も会長が言う通り仲良くしてあげて下さいね~!」
久住先輩は人好きのする笑顔で小姑先輩達に笑顔で言うと、小姑先輩達は頬を赤らめながら頷いていた……。
「え、えぇ! 分かっていますわ。隼人様が仰るのですものね。そこの貴方! 良いこと? 隼人様達に迷惑をかけては駄目ですからね!! おわかりかしら?」
「は、はい」
「そう。それならば良いわ。それでは、久住様、お時間をおとらせして申し訳ありません。私達失礼致しますわ。ご機嫌よう!!」
そして小姑先輩達はめっちゃ早く逃げて行った…………あれ、良いのかな、淑女としては駄目だよね、アレ。
呆然と先輩の過ぎ去った先を見ていたが、隣に来た久住先輩に気付く。
そういえば、この先輩に助けてもらったんだよね? あのままだったらまだ捕まっていただろうし、お礼を言わないと!
そう思い、久住先輩にお礼を言おうと口を開いた。
「さっきは」
「お前さ、馬鹿じゃないの?」
「…………」
「あれ、聞こえなかった?」
どうやら聞き間違えではなかったらしい。奴は僕に対して「馬鹿じゃないの?」 と初対面の女生徒に、しかも、まだ入って間もない新入生に対して 「馬鹿じゃないの?」と言った。
………………
…………
……
このクソ§¥@*☆!! 何なんだ!? こいつ、会って初対面で毒づく変人なのか!?
ムカツクので睨みながら奴を見ると、久住は僕を見て呆れたようにため息をついた。
「そんなに素直に表情に出ると社会でやっていけないぜ? もっと世渡り上手になんなよ? ま、無理だろうけどさ」
「!?」
そんなセリフを言いながら奴は去って行ったのである……。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
昼休みの食堂――――ではなく、今回は由梨ちゃんが弁当を作ってくれたので教室で女同士でランチです!!
メンバーは、僕、由梨ちゃん、由良ちゃん、華ちゃん、そして、華ちゃんのお友達の皆川さんと長谷部さんが一緒なのだ!
皆川さんと長谷部さんは中学からの友達だそうで、部活が一緒になった時に仲良くなったそうだ。
ちなみに僕達も友達になりました! イエイ!!
荒んだ心にオアシスが出来ました! さあ、ランチ♪ランチ♪
おお! 今日の弁当も豪華ですね、鶏のササミの梅しそはさみ揚げと卵焼き(甘め)、あと僕の好きな五目ご飯~~♪
美味しいご飯にさっきまでの怒りは飛んで行くよね!
「ところで、夕夜。木山先輩に呼び出されて大丈夫だったの?」
直球来た――! でも、夕夜って呼んでくれて嬉しいよ、長谷部さん。
「あ! 私も気になってたんだよ! よく、短時間で帰って来れたよね、夕ちゃん。あの先輩会長の事となるとめっちゃ煩いから」
ええ、めっちゃ煩かったです、皆川さん。……僕も名前呼びにした方が良いんだろうか?
「久住先輩が助けてくれたみたいよ?」
「!? な、何で知って……」
エスパーが! エスパーがここにいますっ!! っていうかあの場所、僕達しかいなかったよね!? 何で知ってんの?
…………もしかして盗聴器仕掛けてるの?
「何処でも人は見ているものよ? 近くを通った生徒が貴方達を見かけたって聞いたのよ」
僕の考えは見透かされているようで由梨ちゃんは淡々と説明してくれました。
「え! 久住先輩に!? 良いな~~夕ちゃん! あのイケメンで優しい生徒会の広報と会計担当の久住先輩に守られるなんて羨ましい~~!!」
「え?」
「やっぱり久住先輩って女の子に優しいから虐められている夕夜を放っておけなかったんでしょうね……」
「ええ…………?」
誰? その女の子に優しい生徒会役員って? 空耳?? 優しい人って初対面の新入生に「お前馬鹿?」って言う人のことを言うんですか? 僕の常識が間違っています?
「…………夕夜、久住先輩と何かあったの?」
「え!そうなの、夕夜ちゃん!?」
倒れた事で心配して過保護なくらいに心配してくれるようになった華ちゃんが詰め寄ってきて怖い!
まあ、由梨ちゃんが言った通り久住……先輩とはあったけど、この様子だと言っても信じないだろう。
なので
「ううん、何もないよ?」
と笑顔でスルーをした。
由梨ちゃん達は不満そうだが下手に言うと奴のファンに攻撃されかねないので言わないでおこう……決してビビっているからではない。そう、ビビっているからではないのだ!
…………しかし、何故に僕は初めてあったのにあんな事言われなければならないんだろうか?
…………くそぅ、生徒会に行けば腹黒魔王はいるし、毒舌チャラ男はいるし、放課後が恐ろしい!!
――――――帰って良いですか?
はい、駄目ですよね。絶対もれなく魔王様がやってくるわ…………。(遠い目)