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温もり
少し明るい詩を書きます。
あなたが好きなテレビ番組を見ている時
一緒に私もそれを見る
普段あまりテレビなんか見ないけど
あなたと一緒の時間を過ごしたいの
でも相手にされなくて あなたはずっと画面ばかり
だから私はマグカップにコーヒーを注いで
あなたの頬に当ててやるの
驚いたように私を見るのが楽しいから
でもあなたのその目は笑みを浮かべ
唇が「ありがとう」を形作る
まるで私の心の中に温かいコーヒーが注がれるように
ぽかぽかと 心が湯気を立てていく
マグカップを手に 私もあなたの隣に座り
再びテレビに夢中になっているあなたに わざと話の筋書きを訊ねてやるの
今いいところなんだから黙って見なよ と
怒ったように言うあなただけど
ちっとも怒ってなんかいない
私はあなたの隣に座り コーヒーを啜りながら
あなたの邪魔をしながらテレビを見る
私はこの時間が好き
あなたの温もりを感じられるから
まるでこのコーヒーのように
ぽかぽかと湯気を立てた あなたの温もりを