表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/37

衝動

自分の意志ではどうしようもできないことだってある


何か耐えられないことがあったとき

不安なことがあったとき


まるで世界が私をぎゅっと押し込めて

本当に小さな小さな

丸いボールか何かになってしまうんじゃないかと思うくらい


それくらいの強さで 私の心臓が握りつぶされそうに感じるとき


私には 抗いがたい衝動が沸き起こる


そんな時 私はいつもよりもずっとずっと強く目を閉じて

絶対に それを見ないようにする


本当に 身近に存在して

まだ乾ききってない 水に濡れて 光を反射する

その刃を


その刃先の鈍い光に 

私の瞳が囚われないように


そうでなければ

私はその衝動に負けてしまいそうになるのだ


強く握りすぎてうっ血し

血の気が失せた私の手首


そこにその濡れた刃先を押し当て 

すっと引いてしまいたい

その衝動が もはや誘惑ですらあると思える


その衝動に耐えるために

私は今日も

代わりに手首に歯を立てるのだ


思い切り


消えないくらいの跡を残したくて


何度繰り返しても 一瞬の安堵の跡は

また 次の衝動が どうせやってくるのが分かってるのに


自分の手首に噛みつく その力が

だんだんと強くなっていることにも気づかずに


今日も私は 衝動に耐える

ずっと ずっと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 希死念慮を詩にした雰囲気ですね。でもこの心情もよく解ります。私にも時折、どうしようもない希死念慮に捉われるときがあるからです。 そんな時、繋ぎ留めてくれるのは家族の存在。他の詩を読みながら…
2019/12/29 10:39 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ