23/37
生きつづけること
生きることは走り続けることだ
休むことなく
逃げられない何かから追われるように
希望に喜びを感じる時もある
子の成長が待ち遠しく
涙を浮かべて歓喜する
愛しさゆえに
このまま子の成長が止まってくれないかと
思ってしまうこともある
それでも決して消えることのない
焦燥感と無力感
あの人と同じ苦しみを負った私
一緒に果てることこそが
唯一残された 私たちにとっての安息なのではないか
そう思わない日はない
生きることはなんだろう
命とともに寄り添うことを強制された私たちの病は
緩やかに
時に激しく
私たちを蝕み続ける
それでも
背負うものの大きさを知る私たちには
生きることから逃れるすべはない
生きることはなんだろう
喜びなのだろうか
子の手の温もりを感じるたびに
その愛おしさと重さに
幾度となく同じ問答を続けていくのだ
私も
そしてあの人も
いつか来る
きっと来てくれる その時まで
ご無沙汰しております
生きていくこととは何なんでしょうね
