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棘
私を睨むあなたの瞳
優しかったその瞳には もう
私への想いはこもっていない
それでも私は もう一度あなたが
戻ってくれると信じて
あなたが込める その棘から
瞳に宿る 冷たい光から
唇から紡ぎだされる その言葉から
目を逸らし 耳を塞ぎ
背を向けてはいけなかった
あなたをそうしたのは 私かもしれないから
嘘であってほしい
何度 そう願っただろう
明日にはまた 前のように
あなたが笑っていますように
何度 そう祈っただろう
時の流れが止まったかのように
まるで一日が千日のように感じた
今 瞳を閉じると
あなたを余計に愛おしく感じる
その棘で傷ついていたのは
他ならぬ あなた自身だったのだから
ねぇ あなた
もういいの
あなたがそうしてくれたように
今度は 私が支える番
やっと 分かったの
あなたとなら 苦しみも分かち合えると
あなたの悲しみを 嘆きを 背負ってあげることも
きっと ほんの少しの幸せなんだと
あなたと歩く この道こそが
何物にも代えがたいものなのだから
辛かった時を思い出して書いた詩です