表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜王の妃。  作者: 雨神
第一章。
6/15

1-4


べたーっ、と木に張り付いて深森を凝視する金髪ツインテール少女は“喚ばれた”者がどんな者であるかを…………後に叱られること覚悟で“さかさまの城”から抜け出てきたのだ。


気のせいだと言う可能性をきっと誰もが提示するだろうが、この世界においてそれはあり得ない。


別の世界からやって来た者を関知出来るのが同じく別の世界からやって来たものが察知出来るのは道理。


その道と過程を知っているし何より匂いが記憶に刻まれている。


刻まれたものは安易には消えないし“こちら”で生きると決めて、忘れようと強く意識したからこその深い刻みになったのは少し前に少女が悟った真実だった。


少女の中に切なさが吹き込んだが、深い瞬きを行うことで和らげて、息を吐くことで解け流した。水のように。霧のように。


迷い……ではなく、切なさを払拭するかのように勢いをつけて強く瞼を開いた。


少女はただ眺めるためだけにここに来たのではない。ただそれだけの為に後ほど厄介な相手と喧嘩をすると言うのはあまりにも少女にとってデメリットでしかない。


デメリット……でしか、ないのだが……


あまりにも、目を反らしたくなる現実しかなかった。


「……!そうか……!わかった……!」


かっと瞳をぎらりと鋭く光らせた深森にびくりと肩を震わせた少女。しかしやはり深森は少女が少女の存在に気づくことはない。


少女はびくびくとしながら深森の様子を伺い見る。次は何をしでかすのだろうか?と最早深森は少女の中では珍獣の扱いだった。だがそれに「酷い」と言う者はここにはいないし、仮に第三者がいたとしても少女の抱いている感想に首を横に振る者はまずいないだろう。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ