第三話 合同捜査
「ケイトそろそろ起きたほうがいいわ」
マリアの声にケイトは目覚めた。
昨晩いつになく呑み過ぎた様子で一瞬自分がどこにいるのか認識できなかった。いつもは寝起きのよいケイトが・・・ベットの上でグズっている。
マリアはそんなケイトの様子に微笑みながら庭に面したガラス戸に引かれたレースのカーテンを開け、ガラス戸を開け放して部屋の換気をしながら再度声を掛けた。
「今日はいいお天気よ!早く起きて!シージェイ達がリビングで寝ているから起こしてあげて・・・私は洗濯で忙しいんですから手伝って下さいな・・・」
ケイトはやっと身を起こし眩しそうに目を細めながら庭を見た。
空は快晴で庭先は明るい日差しに包まれている。
マリアが開け放したガラス戸からは清々しい風が流れ込み、ケイトの長い黒髪を優しく撫でた。その心地よさにケイトの意識が覚醒した。
昨夜の祝賀パーティーは深夜の1時頃まで賑やかに続いた。
パーティーの跡片付けがすっかり済み料理人達やレガスピ家の者が引揚げた頃には時計は2時を少し過ぎていたかと思う。
その間居残っていたシージェイはケインと楽しげに呑んでいた。
セスとターニャも一緒だった。
白田夫婦を見送ったケイトも暫くの間は付き合っていたものの流石に疲れを感じてその場を離れるとシャワーを軽く浴びて先に寝てしまった。マリアの話から察すると彼等はその後も呑んでいた様である。
ケイトは部屋を出ると書斎脇の洗面所へと赴き歯を磨き顔を洗った後でリビングへと向かった。彼女は下着に大きめのTシャツを身に着けているだけの姿だった。
リビングではソファーセットの長椅子でシージェイが腰掛けたままの姿で爆睡しておりその膝を枕にしてターニャが寝息を立てていた。
その向かいのソファーではケインがテーブルにうっ伏すような格好で眠っていた。
セスの姿は見当たらなかった。どうやら彼は何らかの手段で帰宅したのだとケイトは察した。
ケイトの気配にシージェイが目を覚まし、続いてターニャが眠りから覚めた。
「おはようシージェイ。ちゃんと寝た?今日も仕事よ大丈夫?」
ケイトの問いに彼は腕時計を見て
「ああ・・・4時間は寝たな・・・」
と酒に焼けた声で答えた。緩慢な動きがナマケモノに似ているなとケイトは感じて少し可笑しかった。
ターニャは未だ半分夢の中にいるらしくシージェイの膝に頭を乗せたまま左手の指先でシージェイにじゃれついている。
「朝食・・・食べていくでしょ?顔を洗ってからダイニングへいらして・・・」
ケイトはそう言い残してダイニングに向かった。