誕生日
突然思いついてキャラ設定書いていたら長くなってきたので投稿してみました。
基本、主人公の女の娘の一人称スタイルなので、そういうのにアレルギーの無い方向けです。
私の名前は琴乃宮 彩。
数分前の日付変わりで十八歳になった。そう成人したのである。
成人したので、結婚だって出来る。
そう、結婚だって出来る。(二回目)
お相手は古守 亮様、私達一族の族長であり、私の旦那様(予定)。
まあ予定なのは今までは亮様に貴方の事がどんなに好きなのか、どれだけ私が愛しているのかをコンコンと説いてみても、お忙しいのに小娘の愛の告白をいつも黙って聞いてくれる亮様好き、じゃなくて、愛を何度説いてアタックしても「こんなおじさんよりももっといい人が見つかるさ、彩くんの未来はまだ始まってもいないのだから」と躱されていた。
今までは単なる小娘、さっき十八歳になった瞬間から法的に大人。
そして一族的にも今日の人龍顕現の儀式をして、人龍持ちになれたら一人前と認められる。
まあ、人龍持ちになれるかどうかは決まっているといえば決まっているし、決まっていないといえば決まっていない。
生まれた時から人龍とは魂が繋がって居るという話だ。
一族でもいない人もいる。
むしろ居る方が少数派なのかもしれない。
こんな事言うのもなんだけど、琴乃宮家は血統的にはかなり有望。
族長の古守家の次に人龍が顕現している家系だ。
古守家が王家とするなら、琴乃宮家、有栖川家、西園寺家、綾小路家は公爵家といったところだろうか?
あれ?私ってもしかしたらお嬢様?そんな事はどうでもいい。
そして晴れて人龍持ちになったとしたら、龍の格が物を言う。
火炎の神龍様を生まれながらに顕現させていた亮様が族長である事に誰も異論がないのは、家系もあるかもしれないけど神龍様故だ。
しかも族長の証である双龍。
ここまで完璧だと誰も何も言わない。
でも、亮様のそこが好きなわけではない。
もっと言うなら、例え人龍なしの平凡なひとだったとしても、私は亮様にぞっこんだっただろう。
そんなことはどうでもいいのだ。
明日、もう今日だけど、人龍顕現の儀式で私の運命は決まる。
人龍を顕現できずに、普通の人として亮様のお嫁さんになるか。
人龍を顕現して、人龍持ちとして亮様のお嫁さんになるか。
この二択しか私の未来はない!
ふふふ、首を洗って待って居てくださいませ、亮様。
よし寝よう、亮様の夢をみるんだ。
「琴乃宮 彩、前に来なさい。」
族長、いえ亮様が私を呼ぶ。名前を呼ばれるだけでホワホワする。
顔がニヤニヤするのをおさえながら前に出る。
「おい、あれ琴乃宮のところの。」
「族長に娘を差し出して権力にしがみつこうとする俗物が。」
聞こえてますよ?父さんは亮様に媚びを売れとか一言も言った事ないですし、権力闘争にはもう辟易しているのに噂って怖いですね。
前につくと亮様が優しく励ましてくれます。
「では頑張ってきなさい。彩くん」
やった!!超頑張っちゃいます。
「はい」
内心の張り切り具合をなんとかおさえてお淑やかに返事をする。
「これより、琴乃宮 彩の人龍顕現の儀を行う。」
長老様が白と黒が太極図のように絡み合った野球ボール大の珠を私に差し出す。
先ほどまで噂話をしていたギャラリーも黙って珠を見ている。
「この珠は光の龍様と闇の龍様との古よりの契約により我が一族に龍を顕現させるものなり。さあ感じるままに触れてみなさい。」
あっ、亮様のお顔を眺めていて長老様のお話を聞いてなかったわ。まあいいわ、触ればいいのよね?いざ!
私はそっと両手で包むように珠に触った。
ドクン。
待って。よくマンガで何か能力が覚醒する時の表現として描かれる擬音。それがマンガ的表現で無い事を理解する。
体の芯が熱くなり、そして冷めて、心拍数が上がる、下がる。
動悸が止まらない。それどころかドンドン大きくなる。
目が回る、倒れる前にしゃがまないと。
体が言う事をきかない。
私は珠を持ったまま虚空を見つめている。
「私?」
そう、私の視点は私を見つめている。
これって幽体離脱って奴なの?
戻るにはどうすれば…
私が見ている私の体がゆっくりと動き出す。
誰?私の体を動かしているのは?返して私の体。
私の体は珠から手を放し深呼吸をすると私と目が合った。
気のせいなんかじゃ無い、確かに私を見ている。
その眼差しに邪気はなかった。
そして音を発せず口の動きで「大丈夫」と言った。
全然大丈夫じゃないよ!
私はどうやったのかわからないけど、動き出した。
私は私の体に無理矢理入ろうとした。
その刹那声がした。
「まだ来ちゃ駄目!」
来ちゃ駄目もなにも私の体なんだから帰るよ!
私が私の体に入った瞬間、痛っ!痛って単語しか浮かばないけど痛い以上に痛い。
どう痛いかっていったら、体中が、体の皮膚の内側全てが溶けてそれをかき混ぜられているような痛み。
私の体を乗っ取っていた子はこの痛みに耐えていた?それとも元凶?
「ごめんね、そのどっちもなんだ。まさか自力で戻れるほど意志の力が強いと思っていなくて。」
痛い、何か声が聞こえるけどそれを気にしている暇もないぐらい痛い。
そういえば蝶のサナギって一回からだがあの中で溶けて蝶になるって聞いたな。
痛みのせいで、自分でも意味が分からなくなってきた頃、ピタッと体の痛みが治った。
体中の痛みは消え、頭の中のみ痛みだけが残った。
その瞬間、私の体が崩れ落ちた。
「医者だ!」
崩れ落ちた私を誰かがお姫様抱っこして運んでくれている。
頭の中に何かが無理矢理詰め込まれているような激しい痛みで目があけられない。
お礼もいえない。
どんどん意識が落ちていく。
それを冷静に感じているもう一人の私が居ることに気づいた。
気づいただけで意識が落ちていく事を止められるわけも無く、私は意識の糸を手放した。
はじめまして。
前のD.P.は最初だけ投稿して放置なのですが、これは短い話なので勢いで書き上げてしまいたいと思います。




