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13階段  作者: WAIai
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2話の⑤

外に出ると、雑音がひどくなった。

ー何あれ。変なの。

ー誰か助けてくれないかなぁ。

心の声があちらこちらから聞こえてくる。凛はヘッドホンをして音楽を流しているのだが、声は聞こえなくならなかった。

ーでも…。

勇気を出して会社に向かっているのだったが、階段のことは誰も口にしなかった。目立つはずなのに、皆に見えていないようだった。

ひとまずはホッとするが、どうやったら階段が取れるのか謎だった。引っぱったり、押したりしたが、無駄だったのだ。

会社に着いた。凛は深く息を吐くと、決意したように中に入った。



相変わらず、凛は意地悪されていた。それに心の声も聞こえてくる。

ーうざいんだよ、この女。

ーもっと早く仕事してよ。

直接言われるよりもショックだった。相手が平気でそう思っているからだった。

「あ!!」

コーヒーの粉をこぼして、凛は慌てる。皆の視線が突き刺さってくる。

ー何で、私だけ。

惨めだった。目頭を拭くと、雑巾を取りに向かう。すると、給湯室から声がしてきた。友子のとりまき達だった。楽しそうに雑談している。2、3人だろうか。また馬鹿にされると思い、胃を痛くしていると、心の声が聞こえてきた。

ーこの子、化粧濃いのよね。ちゃんと、鏡を見ているのかしら。

ーこのおばさん、嫌い。悪口でも広めようかなぁ。

凛は愕然とした。仲が良いと思っていたのだが、そういうわけではなかったらしい。利害関係なのかと知ると、どこかホッとした。しかし、神様は凛に味方してくれるようで、思いがけないことを耳にする。

ーお局、不倫しているのよね。

「…は?」

思わず口をついてでたので、手をあてて殺す。良いことを聞いたような気がした。

「あの人、凄い人よね。テキパキ働いて」

「カッコいいわよね」

表面上はほめているのだが、心の声は別のことを教えてくれる。

ー部長と不倫しているのよねぇ。だから、あんなに偉そうにできるのかしら?

ー不幸にならないかなぁ? 楽しみ。

あれだけ持ち上げておいて、心の中では、友子を見下しているようだった。

凛はそのことを暴露すれば、今の状況から抜け出せるかもしれないと思ったのだ。

ーこの力、厄介だけど、使えるかも。

期待に胸をふくらませると、雑巾を取りに行く中、どうするか考え始めた。


























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