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親子の休日 後半

 ウァニュ家のウァルティーニ国にある邸宅にて、ジークとシックの親子の休日。


「エスがスクイブの元に帰って少し経つね。この家は随分静かだ」


 ジークは自分の側を掃除しているメイドに呟く。そして二階から息子が降りてくる音に口角を上げた。メイドは嫌な予感がして台所に戻る。


「シック、ワイングラスを取ってくれ」


 シックは首を振りながらリビングにきて父の隣に座る。彼の顔は嫌な笑みを浮かべていた。


「父さん、僕にアップルジュースとケールサラダを取ってきて?」


 遠回しに断るシック。ジークは八歳の息子の悪い方への成長に少し驚きながらもソファから立って台所に立つ。


「あら? どうされたのですか、ジーク様」


 メイド達が驚きで目を見張る。家主であるジークが台所に立つなどメイド達からすれば空からハンバーガーが降ってきたような出来事だ。


「すまないが今日はこれで上がってくれ」


 そう言いながらポケットから紙幣を二枚取りメイドに一枚ずつ渡す。


「百……」


 メイド達は少ない金額に瞬きが止まらないが仕事を早く終われるならと、そそくさと台所から出ていった。

 ジークは棚からグラスを二個取りアップルジュースを注ぐ。そして冷蔵庫からケールサラダの器を取り全てをトレーに乗せてリビングに戻った。


「父さん嘘だろ?」


 笑いながら父が座れるように場所をずれる。テーブルに二つのグラスと器が並んだ。ジークは自分のグラスを取ってシックにもグラスを手渡す。

 シックは自分のグラスを少し下にしてから父と目を合わせて口を開いた。


「「乾杯」」


 グラスが少し音を立ててぶつかる。


「どうしたんだい? 飲まないなら……」

「飲みます、飲ませてください」


 シックはストレートリンゴジュースを一口飲む。いつもは自然と笑みが溢れるような美味しさなのだが今日は少し違う。


「家族の時間なんて久しぶりだよ。ねえ父さん、もっと家に帰って来れないの? 僕も休暇中は帰れるし、単位を全部取ったら二ヶ月は休むことができる。どうかな、たまには家族サービスしてくれてもいいんじゃない?」


 訴えるような目で見られるジーク。しかしシックの思惑にはハマらずただ首を振る。


「家族サービスね。やっぱね、でも……うーん」


 ジークは話を変える話題を頭の中で考える。


「家族の時間を作れるのは今だけだ! 父さんは叔父さんのことで、僕は学園のことで忙しくなる。真剣に聞いてくれよ! 今日みたいな日はもう来ないかもしれない。僕たち、親子だろ?」


 シックは涙目で父の太ももにしがみつく。息子の意外な一面を見たジークは笑ってシックを引き剥がす。


「あぁ、親子だしな。少し考えてみる」


 ジークはグラスを置いて席を立った。

 急に離れた父に疑問を抱いたが喜びの方が早く来た。


「約束だよ!」

次回 あやまる必要なくない?wow

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