番外編 エスの可愛い日常
これはエスがイェーニット学園に旅立つ少し前の事。
ドレッサーに座って鏡の周りにある一つのボタンを押す。机に置いてあった櫛が浮き、わたしの髪の毛を梳かす。魔法が関連していることはわかるが、どうすればこうなるのかがわからない。櫛が机に戻った。次はカチューシャの絵のボタンを押してみる。ドレッサーの横にあるカチューシャがたくさんある棚が動き、わたしの横に来た。
「ふんふん、カチューシャ選びは自分でしろと?」
わたしはカチューシャの綺麗な山を見る。宝石が付いているもの、リボンが何個もついているもの。そして、シンプルな白のカチューシャが十五個はある。こんなに付けるのだろうか。わたしは黒の生地にダイヤが付いているものを取って鏡を見ながら付ける。
「どうですか? 皆様」
わたしは後ろを振り返ってソファーに座って『真実か挑戦ゲーム』をしているザック、ジー、アールを見る。全員と目は合ったものの、誰も口を開かない。
「次はジーの番。エスに真実を言って」
「ザック様!? そんな殺生な!」
……それはわたしが可哀そうなだけだよ!
わたしはジーを見る。彼は何か考えているのか目が合わない。
「うーん……似合ってない!」
このときわたしは改めて自分が幼女になってしまったのだと感じた。
だって、可愛くないはずがないもん!




