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じじー講義 じじー攻撃

~歴史学の授業~

 わたし、エス・ウァニュは、じじー先生に魔界の始まりを習っています☆

 でもそのじじーは初代魔王のティースト・ウァニュ、わたしのご先祖様の悪口を言っています☆

 ご先祖様の悪口だけじゃなくてわたしのお父様のザック・ウァニュの悪口まで言うの。困っちゃうね☆



「現代のティースト・ウァニュと呼ばれるザック・ウァニュは魔王になったことがないとされているが、それは違う。

 ザック・ウァニュは1805年から1818年にかけて魔王を裏で務めている」


 うちのパパ、元魔王だったんかーい。

 いまはたぶん1825年だから丁度わたしが生まれた年に魔王を辞めたんだね。

 子育てしながら魔王はキツかったのかな?


「あの、質問いいですか!」


 後ろの席の高等部の女子生徒が手を挙げた。

 じじー先生は女性教師に支えられながら頷いて彼女に発言権を与えた。


「なぜザック・ウァニュ様は魔王になったことが世間に知られてないのでしょう。教科書でも魔導書にも1805年から1818年はウィルディー家傍系が魔王を務めています。そのお方の後ろで何か、世間に知らせてはならないことでもしていたのでしょうか?」


 女子生徒はじじーを責めるような強い聞き方をした。

 じじーは元々開いていないように細い目をさらに細くする。


「それについては私もわからん。

 だが、その期間でなにか行ってはいけないことをしていたと私は考えている」


 このじじー、何も知らないくせにお父様が悪いことしてるって言ってんの?


「なぜそのように思われるのでしょう?」男子生徒が手を挙げた。「先生、答えていただけないでしょうか」


 じじーは男子生徒を無視して講義を続る。


「魔界のでき方を教えたので次はその後について話そう」


 男子生徒は「答えてくれないのかよ……」と呟く。


「じゃあ小等部のウァニュに答えてもらう」


 ……は? わたしのこと?

 ウァニュならじじーを支えてる教師もウァニュだけど。小等部ならわたししかいないよね?


「立て。魔界を作った後は何が起こると思うか?」


 じじーはわたしを見ている。やっぱわたしなのね。

 わたしは椅子を引いて立つ。立ってもそんなに高さが変わらなかった。


 ……なんだっけ? 魔界ができた後?

 えーっと、何が起こるかなあ。……あ、魔界だからね。

 あれ一択。


「戦争!」


 わたしは口に出したことを後悔した。

 じじーが目を見開いていたからだ。お前目開けれるんかい。って突っ込むとこだったよ。

 教室がこんなに凍ってなかったらね。

 あ、今のは比喩ね。冬の英雄スクイブがいるんじゃないから。いるのかって思うほど寒いけど。


「あの、間違ってます?」


 わたしは恐る恐るじじーに尋ねる。


「いや、合っとる」


 合ってるんかーい!

 じゃあなんでみんなして間違ったみたいな反応するのよ!


「もう座って良い。授業はこれで終わりにする」


 じじーは支えてくれた女性教師から離れて教室のドアを開ける。


 ガラガラガラ じじーはドアを開けた。

 ピシャンッ そしてすぐに閉めた。 

 教室中が「?」となる。


 ガラガラガラ

 じじーは触っていないのにドアが開く。


 ドアからはお父様とスクイブが出てきた。



「さーて? 講義はどうだった?」


 お父様はわたしの隣の席に座って机に肘をつく。

 わたしは横目でスクイブに魔法で拘束されたじじーを見る。


「すごい、ナマザック様だ♡」

「やっぱイケメン♡」

「わたし、声かけちゃおうかな!」


 女子生徒が黄色い悲鳴を上げる。


「お父様、モテモテですね」

「知ってる」


 ザックは笑顔で答えた。うざいねえー。


「講義は最悪でしたよ。ウァニュ家の悪口を永遠というのですから。で、お父様は何故ここに?」

「スクイブの館に泊まってたんだ。それでスクイブがネクタイを忘れてたから届けに」


 新妻かっ!


「そうなんですね」


 ザックはわたしに飽きたのか席を立ってスクイブとじじーに話しかける。


「スクイブ、こいつは講義中ウァニュの悪口を行っていたみたいだ。校長に出してこよう」

「あぁ。そうしよう」


 ザックとスクイブはじじ―の前に膝をつく。


「レイン先生、あなたはこれから私たちウァニュ家の悪口を一切言わないと約束できますか?」


 じじーは魔法で口まで固定されているので喋れない。だが、必死に頷いている。


「返事をしないぞこいつ。また裏切る気だ」

「じゃあ校長室に連れていくか? スクイブが決めてくれ」


 ザックはスクイブを見つめる。


「そうだな……。校長室に連れて行こう。そして校長に処罰を決めてもらう」

「そうしよう。魔法で運んでくれ」

「あぁ」


 必死に首を振るじじーをスクイブは杖を一振りして浮かせる。

 そして三人は教室を出た。


「……今日の講義はこれで終わりとします」


 じじーを支えていたニャック・ウァニュは笑顔でみんなに帰るように言った。


 ……うん。かわいそ。じじー。


 わたしもみんなに続いて教室を出て寮に戻った。


「次はちゃんとした講義が受けれるといいな」


 まじで。

次回 お父様からの手紙

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