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第8話〜守護獣の脅威〜

ほんっっっっとうに遅くなりました!!

これからは前の通り1週間に1話更新のペース、もしくはそれ以上のペースで更新したいと思ってます!

「オレも…戦えるんだ…!」

チェレーンとの激戦を勝利で終えたアルスはその場に座り込み息を切らしながら"勝ち"の気分を満喫していた。


アルスは息を整え立ち上がり祖父であるグレアスの加勢に行くことにした。

立ち上がり、どこへ向かおうかと周りを見渡していると足音が聞こえてきた。

「アルス〜!」

この声は…。間違いない、グレアスだ。

アルスは声を張り、

「じいちゃん!」

と言い抱きついた。


「勝ったんだな、アルス!」

グレアスは抱きついてきたアルスを見下ろし、その頭を撫でる。


「おう!ってなんで戦ってること知ってるんだ?

じいちゃんは製鉄所に向かったはずだろ?」


「いかにも。先程避難所である製鉄所にスチュルマと名乗る女子(おなご)を連れていったのだがそやつがアマティアスの一員でのぉ…。そやつがあそこに倒れている男の話をしておった。それにしても一生の不覚じゃ。」


「そうだったのか…。それで、被害は?」


「最小限に抑えたぞ。死人は1人も出ておらんから安心せい。」


「よかった!それじゃあもう終わりってことでいいのか?」

アルスが安堵の表情を浮かべながらそう言うと後ろから物音が聞こえた。

そこには体を引きずりながらこちらへと向かってくるチェレーンの姿があった。

「まだ終わってないんだよなぁ…!ここには俺様たちのとっておきが向かってきてる。」

チェレーンがそういうととてつもなく大きな魔力が遠くから近づいてきていることに気がついた。


アルスたちはゾッとし、額から汗を垂れ流す。

その魔力はアルスの心臓を突き刺すような殺気に満ちた魔力であった。

アルスは細めた目を見開き、

「これはなんだよ…!お前が言うとっておきってやつか…?」


「まあ、正確に言えば俺様たちの仲間じゃねえが…。この殺気の矛先…。明らかにお前だろ?へっ、研究したかいがあった。これで1つ脅威を消せる。」


「俺への殺気?研究?さっきからなんの事だよ!」


「知らねえのか?主なき守護獣…」

といいチェレーンは説明を始めた。


時は遡り、3年前……

アマティアスを崩壊寸前までおいやったネヴァーヘ・ログラージという男がいた。

彼は死に際にあまりに強い守護獣が世に危険をもたらすと考えた。

はるか東の国クルマーケという場所に人に害を加えないように暗示をかけ眠らせた。

そして数ヶ月前にその守護獣は動き出した。

本来なら守護獣を持たぬ者に守護獣の姿を見ることが出来ない。

しかしこの守護獣には主がいないため人にも見えてしまう。

「巨大な獅子のような獣が大地を駆けている」とすぐにこの情報は出回った。

その情報を嗅ぎつけたアマティアスは守護獣を追尾する計画を立てた。

驚くことに近づいても守護獣はアマティアスに見向きもせず道を走り続けていた。

暫くは行き先が安定していなかったがある日を境に一定の方角にしか進まなくなりその直線上にある町を調べてみると3つの町が浮かび上がった。

守護獣を持つものは守護獣の気配や魔力を感じとれるらしくその気配の感知に成功したのがこの町であった。


「という訳で……お前」

と説明を終えたあとチェレーンはアルスに指を指した。


「オレ…?」

アルスは混乱し、少し震えた声で言った。


「そうだ。自分が1番わかってるんだろ?」



確かにアルスの中には守護獣「ドラゴ・ネグローク」がいる。

その事に関してはアルスも重々承知している。

しかし、アルスがネグロークと話したのは数分前であり時系列を考えると明らかにチェレーンの話とのズレが生じている。


「オレがこいつと初めて話したのはほんの数分前だ。」

とアルスが自分の胸に親指をあて言う。


「そもそもオレに会いに来るなんて何も目的も無いのにどうしてオレの元にくるんだ?」


「他に守護獣を持つ人間がいるのか…?いやそんなはずは…」


チェレーンが困った顔をしながら言う。

元々守護獣を持つ他の人間がこの町に存在し、数分前に守護獣を宿した人間に偶然出会った。

そう考えると話の辻褄が合う。


そんなこんなしている間に巨大な魔力が近づき、足音まで聞こえるようになってきた。


足音の方向を見てみると獅子のような巨大な獣がこちらに向かって走ってくるのが見えた。

アルスと獅子の目が合う。

その瞬間に獅子は加速し瞬く間に近づいてくる。


チェレーンは笑いながらこちらを向く。

「俺様はお前を殺すことは出来なかったが、任務遂行はこの獅子が…」


辺りが静まり返ったと思ったその矢先にその場を突風が襲い地面がえぐれ、チェレーンはその突風に巻き込まれ体をバラバラにされてしまった。


獅子は咆哮をあげアルスの目の前に止まった。

その咆哮は耳を突き破るような大きな音でとても耳を塞がずにはいられないほどであり、同時に勝てないと確信するほどの恐ろしく巨大で強すぎる魔力であった。


しかしアルスは戦わないことには勝利もクソもないと考え、

光雲(こううん)を取り出し戦いの構えを取った。


例え勝つことが出来なくとも今までの努力を無駄にしないために…。


第8話〜守護獣の脅威〜[完]



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