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第2話〜兆し〜

翌日の朝…


アルスは木刀を持ちいつも通り修行場に来た。

昨晩グレアスに想いを伝えることが出来たためいつもよりもアルスの練習に対する気持ちはいつもよりも遥かに高ぶっている。


アマティアスを壊滅させるためには今よりもっと力が必要。

その"力"をつけより強くなるためのグレアスによる地獄の修行が始まった。


その修行に向け素振りや体をほぐすなどの朝の運動を行っているとグレアスが修行場に来た。


「おぉ、アルス起きてたのか。今日はここではなく、ちと違う場所での修行にしようと思っておってな。」


道場以外に修行の場所があるなど初めて聞いた。

少なくともアルスはこの場所に15年はいる。

そんな中、こことは違う場所に修行ができる場所があることに驚きつつ、少しワクワクしていた。


しばらくグレアスについて行くと竹林に開けた場所があり、そこには無数のカカシが倒れていた。


「ほれ、アルス!"コレ"を付けて竹刀を持つんだ!」

と言い投げ渡されたのは竹刀と何やら変な腕輪のようなものだった。

言われた通り腕輪のようなものを腕にはめた。


「じいちゃん、これは何なんだ?」


「あぁ、それはな」

とグレアスが説明を始めるとアルスの目にボタンのようなものが見えた。

そのボタンは腕輪についており、アルスはそのボタンを押した。

押して間もなく、ピーッっという音がなった。

すると倒れていたかかしがひとつ起き上がった。


「人に質問しておいて、勝手に押すでない!

まあ、いいか。そいつはランダムかかし!その起き上がったかかしを叩くんじゃ!」


「ランダムかかし」とはその名の通りランダムに起き上がっくる倒す修行法。

ランダム性があるため瞬発力や予測力を鍛えることができる。

かかしは2秒までしか経っていない。

もし、この2秒の間にかかしを倒せなかった場合…


ブーッ!!


「いってえぇ!!」


このように腕輪から警告音がなり、身体中に痛みが走るようになっている。

この修行法を理解し、コツを掴めば楽しく修行が行える。


アルスが腕輪をチラッと見ると残り10秒を切っていた。

最後に大技を決めると考えたアルスはかかしを倒しながら

「雷」の力を竹刀と足により強く集中させた。


残り2秒。


「閃光流…構え刃"不曲無陣(ふきょくむじん)"雷光一閃!!」


落雷のような大きな音ともにアルスはかかしへと直進し、一閃した。


ピーッ!

終わりのサインが腕輪から鳴る。

「なんていい修行だ!楽しかった〜!疲れるけど…」


「アルス!おつかれさん!最後の技は良かったの〜!惚れ惚れする一閃じゃった!」


「褒めすぎだって!それにしてもこんなとこがあるなんて初めて知ったよ。」


「言ってなかったからな。まあ、いい修行じゃろう!引き続きやるか?」


「もちろん、やるさ!」


その後何分も何時間もランダムかかしを行った。


そして…


「アルス!もうじき正午だ!昼飯にするぞ〜!」


「すぐ行く!」


そう返事をしたあと腕輪を片付け、グレアスの元へと走って戻った。

しばらく息を切らしたあとアルスは額に落ちてくる汗を服で拭い、口を動かした。


「なぁ、じいちゃん閃光流のことなんだけ…」

そうアルスが言いかけると左手から黒色のオーラが出てきた。

アルスはすぐそのオーラに蝕まれてしまった。

脳裏に過ったのはあの腕輪。

しかし、違う。腕輪をつけたのは右手。

そもそもグレアスが悪ふざけでこんなことをやる訳がない。


(考えたとこで何も分からないよな。とりあえず今は"コレ"を押さえつけることだけに集中しよう。)

と考えたアルスはすぐさま雷の魔力でオーラ覆った。

だが、しかしオーラは止まることを知らない。

どんどんアルスの体にまとわりついていく。


オレは…一体…どうなっちまうんだ…。

助けて、じいちゃん…!!


第2話〜兆し〜[完]


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