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第1話〜物語の始まり〜

知ってる人は少ないと思いますが、突然消えたいぶぶはこの度復活しました!

ストーリーや設定を考え直し新しく書いてみました!

これからもよろしくお願いします!

カコッカコッ

木刀がぶつかり合う音が道場に響く。


カンッ…!!

「くそ〜!また負けた〜!ったくいつになったら勝てるんだよ〜。」


少年は尻もちをつき悔いの言葉を漏らす。


「いくらお前が強くなろうともこの"グレアス"には勝てんよ!」

と白髪の老人が笑う。


少年の名はアルス・ハワード。

この街、スウェインの町はずれの竹林に住んでいて祖父グレアス・ハワードの下で剣術「閃光流」を学んでいる。

アルスはあと10日もすれば16歳となり立派な大人として認められる。

そしてアルスにはずっと心の中に秘めている想いがあるのだであった。


「おっともうこんな時間か。飯にするぞ。」


「分かった。あ、そういうや昨日の夜ご飯で全部無くなったんじゃ…」


「しまった!そうじゃった…。アルス買い物に行ってくれ、すまんな。」


「まあ、結局こうなることは分かってたし…。何を買ってくればいい?」


グレアスはそうじゃな〜と頭を悩ませながらペンと紙をとり必要なものを描き始めた。

しばらく座って待っていると、グレアスがアルスに紙を渡してきた。


「OK、じゃあ行ってくる。」

書かれたものはもやし、豚肉、玉ねぎ、豆苗、レタス。

どうやら今夜の夕飯は野菜炒めらしい。


竹林を抜ければそこはもう街の中心部。

夜になり屋台の灯りが街を照らしている。


街に入ると人集りが出来ていた。

気になったアルスはその人集りの場所に向かい耳を傾けた。


「やれやれ、またアマティアスの記事か…」

新聞を読んでいる男性の声が聞こえた。


アルスは眉間を寄せ、少し怒りの感情を覚えた。

「お兄さん、オレにもその新聞読ませてくれよ。」


「あいよ、1部130ランドだよ!」


アルスは代金を渡し、新聞を手に取り噂になっている一面に目を置いた。


またも、アマティアスによる被害。

森林を破壊し、活動領域の拡大を図っていることが分かった。森林の工事をしている人やその森林の住居者などの関係者13名の遺体を確認。

そこに向かった対アマティアス軍"RAMT"によって止められたようだ。



アマティアス。それはこの世界に突如として現れた破壊組織。

この世には炎、水、風、雷、闇の五大魔力と呼ばれる物がある。

人は、そのどれかひとつを生まれながらに持っている。

それをいいことに使うものもいれば悪いことに使う人もいる。

簡単に言えばアマティアスとは悪いことに使う人の集まりである。


「"アイツら"!!」

アルスが怒りを抑えられず思わず声とアルスの中にある「雷」の魔力が少し漏れ出た。

アルスは慌てて冷静さを取り戻し、頼まれたものを買いに足を進めた。

今夜はどんなものでも安く売ってくれる気まぐれショップ店

「ドンキ・ボート」が街に来ているようだ。

紙に書かれたものを言い、頼まれたものを買った。


「全部で900ランド!」


「ほんとに安いな〜!こんなに買って900ランド…。

さっきの新聞と合わせて1030ランドか。3000ランド貰ったけど残りの1970ランドはオレの財布に入れるか。」


アルスはその値段の安さに驚きながら財布の中にお釣りをいれた。

そうしていると、店員さんが大きなものをこちらに寄越してきた。


「兄ちゃん若いな、食い盛りだろう。どれ!今日猟師から仕入れたシルバーカウの肉だ!食って元気になれよ!」


「え!?いいのかよ、オレなんかに!」


「あぁ!いいんだ、いいんだ!こんなに繁盛してる街ぃ見て、気分がいい!お代は要らんよ!」


アルスも気持ちよく接客されさっきの記事の怒りは消えつつあった。

道場に着いたアルスは買ったものを台所へ並べた。


「これは、上質なシルバーカウの肉じゃな!頼んだものではないがな…。」


「そうなんだよ!食い盛りだからこれを食えって店の人がくれたんだよ。」


「そんなに気のいい店員がいるとはのう。もしやドンキ・ボートが来てたのか。じゃあお釣りは多かったじゃろうな。」


アルスはそのことを話されるとわかりやすいように慌て、嘘を考えていたが、ドンキ・ボートに出会えた運に免じてお釣りはアルスのものになった。


料理を待っている間にアルスはまた新聞に目を通し、深く、深く考えた。

そして、心の中に秘めているあの"想い"をグレアスに言うことを覚悟した。


そんなことを考えているといい匂いがしてきた。

同時にアルスの名前を呼ぶ声も聞こえた。

アルスは食卓に向かい、美味しそうな料理を目にしヨダレを垂らした。


器用に箸を使い、料理を口へ運ぶ。

野菜炒めはシャキシャキで美味しく、動かした箸が止まることを忘れてしまった。

シルバーカウの肉は言うまでもない。

溶けるように柔らかい肉は噛めば噛むほど肉汁が溢れ出てアルスの口の中を幸せで埋めつくしてくる。犯罪だ、この美味さ。


と、胸を踊らせ食事をしていると気づけばお腹いっぱいになっていた。


「美味かった!ありがとな、こんな美味い料理作ってくれて!」


「そんなに言って貰えるとはこちらも嬉しいな。」


夕飯を済ませてしばらくが経った。

そして、アルスは"あのこと"を告げることにした。


しばらく葛藤した。


オレなんかが旅に出たとしても誰かの役にたてるのか。

じいちゃんなしでちゃんと生きれるのか。

そんな不安で沢山だった。でも、オレは想いを果たすために今までじいちゃんの下で修行してきた。

オレは決めた。殴られてもいい。オレは、この想いをじいちゃんにぶつけるんだ。


悩んだ末にアルスは言った。


「じいちゃん、オレ16歳になったらアマティアスをぶっ壊す旅に出るよ。」


グレアスは驚いた顔でじっとアルスの顔を見つめた。

そして、アルスに近づき、こう言った。


「よく、言った!」


アルスは殴られると思っていた。

しかし、こうもあっさり旅に出ることに許可を出されたため少し混乱している。


「良いのかよ、オレはてっきり断わられるかと思ってた。」


「何言ってるんだ!それがアルスの想いなら喜んで行ってこいと言えるぞ!ここまで折れずに閃光流を学んだのもその想いを果たすためだろう。」


グレアスはアルスを強く抱き締めてそう言ってくれた。

アルスは少し、安心した。


「あぁ、そうじゃ!旅に出るんだったら2年前にに五大魔力『炎』の魔力の修行に出たお前の姉アリスを探してみたらどうだ?もう長い間帰ってきてない。」


「あぁ、オレもそう思ってる。よし、コレで決まりだな。オレの旅の目標はアマティアスが憎いからぶっ壊すこと。それと姉ちゃんを探すことだな!」


グレアスは大きく首を縦に振りこう言った。


「それじゃあ、残りの9日は地獄の修行コースだ!」


「望むところだ!!」

こうして、アルスの冒険の幕が上がるのであった!


第1話〜始まりのスタート〜[完]

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