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僕の師匠(弟子)は最強でした。

ようやく‥ようやくここまで辿り着いたと言うのに‥


目の前に広がるのは多数の魔物の群れ。その数およそ5000。


「ラージハルト!くそっ!!」


前衛で巨大な盾で魔物の攻撃を受けていた豪腕の戦士が弾き飛ばされる。


「フィル!ラージハルトにヒールを、リルルは僕にバフを頼む!ライトには申し訳ないが敵のヘイト取りを!!」


俺達のリーダーであるハイドの怒号の様な指示が飛ぶ。普段は優しく穏やかな男の焦った表情。それ程までに状況は厳しいと言うことだ。


「「「了解」」」


最強パーティーと呼ばれている俺達は流れるような連携を行いすぐに指示を受けた行動を開始する。ヒーラーのフィルは俺とハイドに継続するヒーリングを掛けながら倒れて動かないラージハルトへのヒールを掛け、サポーターのリルルはハイドへのバフとは別に同時進行で俺にもバフを掛けてくれている。そして、ハイドも極力敵を引き付けながらラージハルトの元へ。


流石最強パーティー。指示された以上の事をやってのけている。さて、俺も自分の仕事をまっとうしなくては。


出来るだけ沢山の魔物達の注意を引くために俺は全力で魔力を解放する。こうすればこちらに脅威を感じ真っ先に殺そうと向かってくるはず


その思惑通りハイドへと向かっていた魔物の足もこちらに向かい始め、ハイドは無事ラージハルトの元へと辿り着く。ハイドが辿り着いた頃にはフィルの回復を受けたラージハルトが盾を付きながらなんとか立ち上がっていた。


「すまない、皆。俺はもう大丈夫だ!それより、ライトを‥」


「ああ、皆で一時離脱する!だが、今の僕達でこの群れから無事に逃げ切れるだろうか‥」


頭から血を流しながらも自分よりも仲間を優先するラージハルトと皆を無事に撤退させるために頭を回すハイド


だが、この状況では厳しいだろう‥そう【5人全員無傷】では‥‥


ああ、なんだ‥簡単なことじゃないか‥こうすれば【皆】無事に済む‥


「皆!!俺に考えがある!4人ともすまないが固まってくれないか!?」


珍しく指示を出す俺に皆一瞬キョトンとなったがすぐにフィルとリルルはハイド達の元へと辿り着く。よし、これで仲間達は大丈夫だ。


「おい、集まったぞ!どうするんだ!?」


ハイドが焦ったように声を荒げる。その間も魔物達はどんどん俺の元に集まっている。


こういう時の為にずっと隠し続けていた魔法‥転移魔法上位になる【団体転移】これは【自分以外】の味方全員を指定の場所へと転移させることが出来る。


1度しか使えないが、現在魔力の全てを支払い味方を転移させることが出来る魔法だ。まさに今使うべき魔法‥まぁ俺は死んでしまうだろうけど、きっと皆なら新しい仲間と共に強くなって魔族を滅ぼしてくれるはず‥




(皆‥ごめん‥‥でも俺は皆には死んで欲しくないんだ‥自分勝手で悪いけど‥‥‥後は頼んだ!!)


「何してるんですか!?ライト君!?」


今から俺がやろうとしていることをいち早く察したフィルがこちらに駆け寄ろうとするより早く魔法が発動する。


「これは‥転移!?馬鹿な!!ライト‥お前!!!」


仲間達の青ざめた顔が視界に入り、そして皆の姿は光の中に消えていった。これで、皆は安全な街のすぐ側まで転移出来たはず‥


俺は物語の主人公になんてなれないが、せめて足掻いて足掻いて足掻きまくって1体でも多く屠ってやる!!




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