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翡翠の森②




それから何回か戦闘があり、問題なく倒せている。

一階層にいるのはあのトンボだけのようだ。

さらに、集団で攻撃して来ることはなく、多くて2、3匹だった。




無事に2階層へ下る階段を発見し、やってきた2階層。



ここも1階層と同じようなフィールドだった。

1階層と違ったところと言えば、所々にまあまあ大きい穴が空いていたのである。



初めはモグラと思っており、地中からの攻撃に注意していた。

索敵はあるがこれも万能ではなく、例えば壁越しであったり、地中やと遠くになればなるほど精度が落ちる。



モグラなどが数匹地中から攻撃してくるのは索敵で気づける。

土の中に違和感がある物体が動いているのを感覚的に察知できるからだ。



だが、今回のは甘かった。地中の中にモンスターがいたのだが、その量が多すぎて、気づくことが出来なかった。

地面の下ほぼ全ての場所に満遍なくモンスターがうじゃうじゃいるのだ。



そう、2階層のモンスターは蟻なのだ。



もちろん、通常の蟻より大きく、動物で例えるならば一匹が大型犬ぐらいある。



さらに羽まで付いており、長距離は無理らしいが短距離ならば飛んでくる。バッタをイメージしてもらえればわかりやすいかもしれない。



また、日本の蟻には稀な後端に毒針を持っている。

刺されていないからどのような効果があるのか分からないが、危ないことには変わりないので食らうつもりは無い。




「シュウ!上は俺が魔法でやるからできるだけ下を減らしてくれ!!」




「「部分硬化!」わかった、上は任せる!!」



(くそ!まじでキリがない!!絶対この後女王蟻出てくるじゃん)



一匹一匹はそこまで強くない。というか全然強くない。

毒針を持っていてまあまあ足も早いが、1階層にいたトンボの方が全然早かった。毒針も気をつければなんでもない。



でもそれが集まって集団になるとまた別だ。



戦争において基本的に数が多い方が有利だ。戦国時代などにもずば抜けて強い武将も確かに実在した。

だが、それでも数が多い方が戦争においては有利なのである。



数は力と言わんばかりの量だ。

だが、俺の魔法一発で倒せるほど脆い。



シュウは一撃一撃が重いが手数があまりない。

俺は一撃があまり重い方ではないと思う。身体強化を使ったシュウと同じくらいだろう。レベルが同じならシュウの方が攻撃力は高いはず。

だが、俺は手数がある。魔法と剣技が使える。



「サンダーボルト!!」


範囲魔法は今のところ「サンダーボルト」しかないが、まありダメージは期待できない。

上手く行けばしばらくの間動きを止めることができ、ダメならば、少し動きが鈍くなるぐらいだ。



空中の蟻を標的に設定する。



「バックチェンジ」



この位置は標的にした蟻の背後であり、飛んでいる蟻の集団の真ん中の辺りでもある。



「回転斬り!」



すごいスピードで体が回転する。今ので周りにいた4、5匹は倒せたはず。


重力に従い、落下している際にも攻撃がやむことは無い。



「レイザント、ディセンズ、バッシュ!!」



(やばっ!!)



剣技を繋げることによって、硬直時間を無理やり無くしているが、最後の剣技を使った後の硬直時間はどうしようもない。



見えているもの全てがスローモーションになり、蟻の毒針がゆっくり、ゆっくり腹に近づき、刺さr...



「バリア!!!!」



咄嗟(とっさ)にバリアを服の内側に生成する。


蟻の毒針がバリアにあたり、地面に叩きつけられる。



「うぐっっ」



(立て!!倒れてる暇はないっっ)



「ブースト、チェイン」



空中にいると上手く回避できないし、せっかくのスピードを活かせない。



「サンダーボルト」



スタンし、落ちてくる蟻の下に即座に移動、頭を跳ね飛ばして次の場所へ。



「パライシス!」



数が減ってきたら、確実にスタンできるパライシスに変更。

初めてパライシスに感謝する。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




「はぁ、はぁ」



(これやばかった)



「シ、シュウ。大丈夫か?」



「な、なんとかね。数が、やばかった」




そこは辺り一面、蟻の死体で埋め尽くされていた。





ありがとうございました!!

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