弥雷 秀
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(喫茶店ってあそこか)
喫茶店の前で上原さんが立って待っている。上原さんが言っていた今日会う予定の高校生ー弥雷秀の姿は見当たらない。もうすでに喫茶店の中にいるのだろう。
「あっ、暁月くんこっちよ」
「弥雷さんはもう中ですか?」
「ええ」
そう言われて、店内に案内された。内装は全体的に暗いく落ち着いている感じだ。壁紙も黒でと統一してあり、バーなどで流れてそうなジャズが流れている。
(あれかな?)
弥雷秀を見たときの第一印象はすごいイケメンということだ。本当にこの一言に尽きる。爽やかで、すごく大人びて見える。お水を飲みながら外を見ているだけなのに絵になる。アイドルやってますと言われても違和感なく納得してしまうほどだ。
「はじめまして。弥雷秀です。気軽にシュウと呼んでください」
「どうも、暁月 海斗です。僕もカイトでいいですよ」
「じゃあ2人ともとりあえず何か飲み物頼んで。なにか食べたいものがあれば、それも頼んでもらっても構わないわ」
「僕はこのコーヒーのおかわりをもう一杯お願いします」
「カイトくんは?」
「僕もコーヒーでお願いします」
「了解。では、あまり遅くなっても申し訳ないので。今日2人に集まってもらったのは、この2人でパーティーを組んで今後行動して欲しいの。弥雷くんは探索者になってからはまだ一度もダンジョンに入っていない。暁月くんはつい先日ダンジョンを攻略したところ、という状況よ」
シュウは探索者になってから一度もダンジョンに入ってないのか。確かに俺とパーティーを組む候補に挙げられるということは現時点でパーティーを組んでないってことだから、パーティーを組んで入るのが常識的になっているダンジョンには入れないのか。
「すいません。一つ提案があるのですが、いいですか?」
「どうぞ」
「僕としてはぜひパーティーを組みたいと思っています。これが世界を救うことの第一歩になればいいとも。ですが、人間関係が悪くなり、パーティーを解散するということも耳に入ってきます。できればそのようなことになりたくないので、一度カイトと比較的安全なダンジョンに行かせてもらってから決めさせていただきたいのですが、どうでしょうか?」
「暁月くんはどう?」
「僕としては問題ないです」
「では、また後日準備の出来次第連絡するからその日は開けておくようにしておいて」
「「わかりました」」
☆☆☆☆☆☆☆☆
ふう、つかれた
喫茶店から帰ってきて、お風呂と夕食を済ませて今は自室にいる。
しかしあれはモテるだろうな。性格的にも別に問題があるわけでもなさそうだし、大人しめだったな。人型のモンスターを殺したことはあるのだろうか?
あとはダンジョンなら入る前に使えるスキルや魔法とかを聞いておかないとな。お互いになにが使えるか把握しておくことは重要だ。レベルは確か16だったっけ?
あと気になることと言えば、ダンジョンごとに発生するモンスターに違いがあるのかということと排出されるアイテムに偏りがあるかだな。
俺が攻略したダンジョンからはパライシスとファイヤボールのスクロールが2回出た。数ある中のスキルからピンポイントで被るなんて確率的にも相当低いだろう。おそらくダンジョンごとに排出されやすいものなどがあるはずだ。
それと比較的安全なダンジョンってどこになるんだろう。たぶん一度自衛隊や探索者が行ったところだとは思うけど、心配だ。
そうこう考え事をしている間に気絶するように眠りについた。
ありがとうございました!
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