宮坂 咲
コメントなどもよろしくお願いします!
咲のイメージとしてはやはり〇の青春ラブコメのいろはすです。
バスケットシューズが床に擦れた時に出る特有の音が体育館から響いてくる。シャトルランのときによく使用するブザーの音が鳴り響く。うちのバスケ部では体育館の横の端から端までを三往復半、決められた時間の中で走るトレーニングというものがある。そのトレーニングにこのブザーを使用するのだが、この音はバスケ部にとってはトラウマに近いものを感じる。
バスケ部全員で走り、一人でも決められたタイムをオーバーしてしまうと連帯責任によりもう一度走らされるという地獄のウオーミングアップとなっている。だいたい体力がある一回目でもタイムをオーバーしているのに、二回目にタイム以内に走り切れるわけがないと思う。なのでいつも3,4回やって終わるのだが。
更にこれはあくまでウオーミングアップなのだ。このあとのきつい練習があると思うと心を折られそうになるが、顧問もそれはわかっているのか練習の最後にどんなに短くても試合形式の練習をやってくれる。
体育館の中に入る。ムワッとした熱気が押し寄せてくる。
(顧問はまだいないか…)
「キャプテン、お疲れ様です」
(前よりも筋肉がついてる・・・)
そう、うちのキャプテンは筋肉ダルマなのだ。身長は170㎝後半だったはずなのだが、今は180㎝あるかもしれない。これでいてドライブ(ドリブルでディフェンスを抜いてゴールに向かうこと)がはやいのだから手に負えない。
「おー、カイトか!大丈夫だったか?」
「はい、なんとか」
「どうする?今日からもう練習に入るか?」
「いえ、今日は顔を出しに来ただけです。練習は明日から参加しますんで、よろしくお願いします」
「そうか!今日はしっかり休めよ!」
「ありがとうございます。あと咲にも一応顔だけだしにに行ってきます」
「そうしてやれ!咲のやつかなり心配していたからな!」
「はい」
(あいつ本当に心配してくれていたのか…)
☆☆☆☆☆☆☆☆
「咲。久しぶり」
「カイト先輩〜、私のところに来るのが遅くないですか〜?」
相変わらずあざとっぽそうでなんだか安心する。周りの変化から自分だけ置いて行かれるというのは嫌だからな。年上の男子からはすごいモテそうだが、女子からは嫌われそうな性格だな~というも思ってしまう。
ショートカットでもともと短い髪の毛を後ろでお団子にしている。校則で化粧は禁止されているが、そんな校則は破るためにあるとでもいうようにほとんどの女子生徒は化粧をしてきている。目の前にいる宮坂咲も例外ではなく、うっすらとだが化粧をしている。
まあ、今では何回言っても聞かないので、少しの化粧ならば教師の方が黙認している感じである。さすがにがっつり化粧しているのはアウトだが。
「無理言うなよ。今日のあの状況を見て察してくれ」
「ということは、あんなに囲まれることがなければ真っ先に私のところに来てくれたってことですか?」
なるほど。そうきたか。こういう時の頭の回転だけは以上に速いやつだ。勉強の方はそこそこのはずなのに生意気な。それでも憎めないのがすごいところだ。
「そういうことじゃないが…」
「またまた〜、照れちゃて」
「男のツンデレ属性なんて需要ねえよ………えっと」
「どうしたんですか?」
「まあ、あと心配してくれてありがとな」
「………それはあれですよ」
「どれだよ」
「先輩がいなくなったらチームの戦力が下がるじゃないですか!あくまで戦力としてです!」
「左様でございますか…。とりあえず今日はそれを言いに来ただけだ。練習は明日から参加するからそのつもりでよろしく」
「わかりました!」
(あいつが人の心配をしているところなんぞ想像できないんだが…)
ありがとうございました!




