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「ふー」


やっぱり久しぶりの学校っていうのは緊張するな。書類上は病欠ってことになってあるが、学校の中でどういう扱いになっているのかわからない。


話題に出してはいけないタブーになっている可能性だって十分にある。突然ダンジョンが発生して普通の高校生が巻き込まれたのだ。誰も生きて帰ってくるとは思ってなかっただろう。


いい気はしないが、仕方のないことだろう。逆の立場だったら俺もそう思う。



「懐かしいな…」


久しぶりの通学路。1ヶ月半も通っていなかったのにまだ覚えている。まあ、そう簡単に忘れては困るのだが。


徐々にウチの制服を着た人が増えていく。



(やっぱり結構見られてるな)



俺のダンジョン攻略の一件はテレビでも放送された。顔は出していないが学校と名前は公表されているので、同じ学校の生徒はそれが誰なのか簡単に特定することができる。



学校に着いた。校門をくぐってから下駄箱までの距離が長く感じる。ほとんどの生徒がこちらを見ている。



「あれが暁月 海斗か」



「意外とイケメンじゃない?私タイプかも」



「ほんとにブレスレット付けてるぞ」



「魔法とかも使えるのかな?」



「ダンジョンのアイテムってめっちゃ高額なんでしょ!カイト先輩と結婚出来たら勝ち組じゃん」



「なんか一線超えてきたって感じがするな。雰囲気的に!」



「お前絶対適当に言ってるだろw」



やはり、注目されるのには慣れない。有名になればなるほど変な噂はたつし、何かする度に大事になる。

あと別に俺のことを言うのは勝手だが、聞こえないように言って欲しい。芸能人もこんな感じなのだろうか?





ついにここまで来た。現在、自教室の前。

中からは一ヶ月半前と何も変わらない騒がしい声。なにもかもが懐かしく思えてくる。

インフルエンザにかかって一週間以上休んだ後、久しぶりに教室に入る時と似たアウェー感を感じる。



(ここに立っていても仕方がないか)



覚悟を決めて教室に入る。



 ガラガラガラ



「おはよう」



「「「「……………」」」」



誰一人として反応してくれなかった。

さっきまでの騒がしさが嘘のようだ。誰も何も言わない。

その静まり帰った教室の中に入り、一ヶ月半前と同じ席に向かう。俺が歩く音だけが教室内に響く。



そして席に座った瞬間、今まで我慢してきていたものが爆発したみたいに騒がしくなる。



「カイト!大丈夫だったか?」


「モンスターってどんなのがいた?」


「俺探索者になりたいんだけど、親が危ないからって許してくれないんだ。最初の内だけでいいから俺のレベル上げ手伝ってくれないか?それだったら親も許してくれると思うから」


「なんかアイテム持ってきてないの?見せてくれよ!」



「やっぱ、魔法とか剣技とか使えんの?」



「車より早く走れる?」



「ダンジョンってどんなだった?」



もう誰が何を言っているのかわからない。四方八方から質問されるうえに、みんな自分の言うことを聞いて欲しくて他の人より声を大きくしようとするので、さらに騒がしくなる。おそらく今俺が何を言っても聞こえないだろう。



「おーい、席につけ。朝のホームルームを始めるぞ!」



助かった。今日は、一日中あんな感じになるのだろうか?



(もう、早退しようかな…)



☆☆☆☆☆☆☆☆



キーンコーンカーンコーン



「起立、礼」



「「「「「ありがとうございました」」」」」



(つ、疲れた)



やっと学校が終わった。

今日は人生で一番喋ったかもしれない。同級生だけではなく先輩や後輩まで押しかけてきた。

特に昼休みは酷かった。本当に明日は勘弁して欲しい。


本来ならば今から部活があるのだが、今日はもう帰りたい。

部活に行くかどうか迷っていると



「カイト。今日は災難だったな」



「レイジか。久しぶり」



「本当はもっと早く話しかけたかったんだが、あんな感じだったからな…」



「あんなに囲まれるとは思ってなかった」



「もともと探索者自体人数が少なくて注目浴びているからね。自分たちの学校にそのトップ層が居るとなると気になっても仕方ないんじゃない?」



「気持ちはわかるが、こっちのことも考えて欲しかった」



「まあまあ。とりあえず生きていてくれて本当によかった。これでもすごく心配したんだよ」



「それは、まあなんだ、ありがとうな」



「照れんなって」



「うっせ」



「今から部活?バスケ部のマネージャーの人かなり心配してたみたいだから一声掛けとけよ」



「そうなのか?咲のやつ意外だな。まあ部活に顔出せば大丈夫だろ。少し挨拶したら帰るから校門のところで待っててくれ」



「りょーかい」




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