両親の想い
コメントなどもよろしくお願いします!
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上原さんが両親と話し始めてすでに一時間以上経過している。
未成年が探索者になるには親の同意がいるが、子供を死地に送る親などなかなかいないだろう。
(あっ、上原さんが出てきた)
「親御さんがカイトくんと3人で話したいそうよ」
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「カイト、またダンジョンに行くの?」
「うん」
「なんで?カイトがいなくなってからどれだけ心配したと思ってるの!別にカイトが行かなくても他の人がやってくれるから!親の気持ちも考えて!もしダメでも最後まで家族全員でいたいの!子供が親より先に死ぬのが親にとってどれだけ辛いかわからないでしょう!」
「でも…」
「でもじゃない!絶対行かせないから!」
ダメだ。話すら聞いてもらえない。どうする?
「ちょっとカイトと2人にしてくれないか?」
父さんが母さんに言う。
「なん「頼む」…」
「……わかったわ」
「それで?なんでまたダンジョンに行こうとするんだ?俺も親の身としてカイトがダンジョンに行くのは反対だ。何か行きたい理由があるのか?」
「確かに母さんの言う通り、もし俺がダンジョンに行かなくても、やり方はどうあれ、すべてのダンジョンは攻略されると思う。俺が参加したところであまり変わらないかもしれない」
「じゃあなぜ?」
「ただ単純に後悔したくないんだ。俺がダンジョン発生に巻き込まれて、死にそうになったとき当然死にたくないと思った。まだやり残したことがたくさんあったから。
やりたくてもやれなかったことは仕方がないと諦めがつくが、やりたかったのにやらなかったことが一つでもあれば、誰だって後悔すると思う。程度の差はあると思うけど。
俺、大学卒業したら、起業したいんだ。ITとかじゃなくて、会場を借りてアーティストを呼んで、イベントを開くような。
最初はこんなクソガキのところに集まってくれる人なんていないだろうし、右も左も分からない子供だから、失敗もすると思う。だから莫大なお金も必要になってくるし、人脈も必要で、なんのレッテルもないやつが社長より、何かしらで有名な人が社長の方が注目されやすい。まだ全然、起業の仕方とかイベントの開き方とかわかんないけどそういうことをしてみたい。
俺は今からなんだ。7年じゃ足りない。彩だってやりたい事はあると思う。もうあんな思いはしたくはない。少しでも可能性の高いことをやっていきたいんだ」
「そうか…。わかった。だが、これだけは約束だ。一度でも病院に搬送されたりするような重傷を負ったら、もう二度とダンジョンに行くな。危なそうだったら絶対にすぐ逃げろ。安全と思えるようになるまで階層を進めるな」
「わかった」
「母さんの方は俺から言っとくよ」
「ありがとう」
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その後なんとか探索者になることができた。
ありがとうございました!




