霧崎 葵
コメントなどもよろしくお願いします!
(あっ、カイトもう移動してる)
「ねえ久美、芸術に行こ」
「ちょと早くない?ってあーそういうことね。葵は本当に好きだよねーカイトのこと。どこがいいのか私にはさっぱりわからんわ〜」
「もっ、茶化さないでよ」
カイトのどこが好き?って聞かれると答えに困る。別に言おうと思えば言えるのだが…
なんとなく全体的に好きなのだ。雰囲気というか一緒にいて落ち着くし、何故か安心できる。
気付いたら勝手に好きになっていたのだ。
「わかったわかった、今から準備するから待ってて」
「うん!」
そして私たちが移動しようとしたその時
「きゃ!」
(なんか最近、地震多いなー)
その時
ズドーーーーーン
(えっ、なに?)
「ねっ!久美!今の音、旧校舎の方から聞こえたよね?」
「えっ?言われてみればそうだった気もするような?」
「絶対そうだよ!」
(カイト大丈夫かな?)
キーンコーンカーンコーン
放送が流れる。
「只今地震が発生いたしました。被害状況と安全を確認するため、職員は職員室に集合してください。生徒の皆さんは次の指示があるまで教室で待機し、自習をしてください。」
だが、先生全員が職員室に集まっている中、静かに自習する人はいなかった。
「いまのなに?」
「やばくね!絶対なんかあったって」
「旧校舎の方からじゃね?」
「次の芸術早く移動しなくてよかったね〜」
様々な声が飛び交う
「ほら、やっぱり旧校舎の方からだ!」
「ホントだ。みんな耳いいね。私は全然わかんなかったよ」
(カイト大丈夫だよね?)
カイトの席を見ながらそう願う
「おい!これ見ろよ!」
あるクラスメイトが携帯を持ち、一際大きな声で叫ぶ。
「この写真絶対ウチの旧校舎じゃん!!」
「えっ、マジで!」
「本当だ!」
「塔が生えてるじゃん」
「どこのやつが作った合成写真だよ」
「センスなさすぎw」
円形の特に装飾の施されていない塔がウチの学校の旧校舎とよく似た建物の下から生えていた。
それは建物ができた後で、真下から塔が突き出てきたような感じだった。
「久美!今携帯持ってる?」
「うちの学校携帯禁止だから持ってないよ。なんであいつ持ってきてんだよ…って、おーい葵?」
「ごめんちょっと見してもらってくる!」
走って行ってしまった。
「やれやれ」
そして5時間目の自習が終わると全校生徒は急遽、一斉下校を強制させられた。
そしてその時、誰もが信じられない光景を目にする。
さっきの写真をもう笑うことなどできるはずもない。
まるでファンタジー映画を見ているようだ。
目にしたのは、旧校舎を内部から壊し、そこに存在している塔であった。
「嘘……」
(カイト…)
ありがとうございました!




