塚松 礼司
コメントなどもよろしくお願いします!
(次の授業は……芸術か)
「おーいカイト!ってもういない」
(いつも待ってやってんのに先に行きやがって。後でジュース奢りだな)
「うおっ!」
(地震か...最近多いな)
そう思った瞬間
ズドーーーーーン
地震とはまったく別物の揺れが襲って来る
何か大きいものが崩れた音がする。
「なんだっ!!!!」
クラスメイトも驚いている。
揺れが収まる。
キーンコーンカーンコーン
放送が流れる。
「只今地震が発生いたしました。被害状況と安全を確認するため、職員は職員室に集合してください。生徒の皆さんは次の指示があるまで教室で待機し、自習をしてください。」
だが、先生全員が職員室に集まっている中、静かに自習する奴などいなかった。
「いまのなに?」
「やばくね!絶対なんかあったって」
「旧校舎の方からじゃね?」
「次の芸術早く移動しなくてよかったね〜」
様々な声が飛び交う
だが、一人だけもうすでに芸術に向かった生徒がいることを俺は知っている。
(カイト無事だよな…)
カイトの席を見ながらそう願う
「おい!これ見ろよ!」
あるクラスメイトが携帯を持ち、一際大きな声で叫ぶ。
「この写真絶対ウチの旧校舎じゃん!!」
「えっ、マジで!」
「本当だ!」
「塔が生えてるじゃん」
「どこのやつが作った合成写真だよ」
「センスなさすぎw」
確かにセンスはないかもしれないが、リアルすぎる。
円形の特に装飾の施されていない塔がウチの学校の旧校舎とよく似た建物の下から生えていた。
それは建物ができた後で、真下から塔が突き出てきたような感じだった。
しかも投稿されたのはつい今程だ。
(これがリアルだったら笑えねえな)
そして5時間目の自習が終わると全校生徒は急遽、一斉下校を強制させられた。
そしてその時、誰もが信じられない光景を目にする。
さっきの写真をもう笑うことなどできるはずもない。
まるでファンタジー映画を見ているようだ。
目にしたのは、旧校舎をぶち抜いてそこに存在している塔であった。
ありがとうございました!




