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お待たせ候
ミランディアを流れるバルマ河は、ベルネシア領スリネアを抜けて海まで届く大河で、川幅は最大で11キロに達し、水深もかなりある。当然ながら土色の河の中には水棲モンスターがうようよいる。こんなところに橋を架けようとすれば、莫大な費用が掛かる。
というわけでエスパーナの入植時代はもちろん、外洋進出時代到来以前――現地人王朝時代からバルマ河には橋が一本も掛かっておらず、渡河は渡し船で行われていた。
これは下流のスリネア領内でも同様で、架橋計画が上がっては『どこからそんな金と資材を捻り出すんだよっ!』と立ち消えていた。
そして、ベルネシアにとって今次侵略作戦と黒色油鉄道敷設計画の最大の障害だった。
黒色油鉄道の計画最初期段階から、この『バルマ河問題』の解決策が熱心に議論された。
鉄道橋を建設するか。列車を船で渡すか。それとも、無難に河の両岸に積み替え設備を据えるか(その場合は産油地―『鉄道A』―バルマ河西岸:積み替え――船――バルマ河東岸:積み替え―『鉄道B』―スリネアとなり、機関車編成がAとBで二つ必要になる)。
侵攻作戦の兵站問題からとりあえず『無難策』を採ることになり、戦争終結後に鉄橋をじっくり建設しようという話になった。
ただし、軍からは『河を渡る船は最低でも貨物満載で全備重量状態の装甲ロードトレインもしくは完全編成の装甲車一個小隊を乗せても問題ないこと』という要求が出た。
ヴィルミーナはこれら政府の決定と軍の要求を鉄道担当チームへしれっと投げこんだが、投げられた方は堪ったもんではない。
『貨物満載の全備重量の装甲ロードトレインとか何トンあると思ってんだよっ! そんなのフェリーじゃなくて大型帆船になるじゃねーかっ!? そんなのバルマ河のどこで作りゃいいんだよっ!?』
『接舷乗降場も整備しろって冗談だろっ!? そんなの港を一から作り直すのと変わんねーぞっ!! 鉄道の駅と鉄路だけで手いっぱいなのにっ!?』
『渡河点の川幅は2キロなくて、流れもそんなに速くねェんだな? ならもう船じゃなくて浮台だ。動力機関付きのデケェ自走式浮台っ! 沈まなきゃ文句ねえだろっ!!』
というわけで、渡河フェリーという名の巨大な艀が作られた。
乗降甲板から直接乗り降り可能で、デカく重たい装甲ロードトレインを乗せてもビクともしないほど大きなそれは、恐ろしく航行能力の低い代物だったが、バルマ河の両岸を行ったり来たりするだけだから問題ない。ついたあだ名は『島亀』だ。
作りも単純明快で、分割した浮台を現地で組み上げて船体を作り、舵と動力機関と安定用重量物を取りつけるだけ。ちなみに群島帯のとある島の内湾で実験もした。2度ほど横転沈没して大騒ぎになったが。
ちなみに、後々バルマ河の水上流通から各地の河港に接舷乗降場の建設依頼が来るが……まあ、それはまた別の話。
南小大陸黒色油鉄道物語:バルマ河編はこんな阿鼻叫喚を伴ったわけだけれども、侵攻中の渡河点は将兵達と住民の阿鼻叫喚に包まれていた。
バルマ河以東の戦いで敗れたミランディア兵達は後退を続けていたが、バルマ河で足止めを食らっていた。
ミランディア正規軍はベルネシア軍の進撃を妨げるため、対岸へ渡るための船を全て沈めるか、焼き捨てており、またベルネシア軍が進む幹線道路や開拓道路に繋がる渡河点――河港町の対岸町や川幅の狭隘部に入念な防御態勢を整えていた。
つまるところ、バルマ河以東に展開した部隊が主に義勇兵部隊や民兵ばかりだった理由は、バルマ河西岸の防御を固める時間稼ぎであり、ベルネシア軍の目をそらすためのエサであり、ベルネシア軍の弾薬や物資を消耗させるための肉壁だったわけだ。
戦術や戦略的には正しいのかもしれない。古来より渡河は防御側が圧倒的優位だったし、自然障害を利用する防御戦略は間違っていない。だが、実際に餌扱いされる兵士達は堪ったものではない。
さらに言えば、ミランディア政府はベルネシア軍の侵攻に際し、戦場となる東部四州の民間人に避難勧告も疎開作業も行わなかった。一部の貴族や軍人、耳聡い者達が自主的に他州へ避難しただけだ。情報の入手が易くなかった時代背景とインフラ事情から多くの民間人は、戦禍が迫るその時まで、状況を知らなかったほどだ。
そのため、ベルネシア軍の侵攻が始まると、数多くの難民が発生していた。
ベルネシアが南小大陸黒色油鉄道の渡河点に予定していた河港町エル・パチョも、後退してきた敗残兵と難民でごった返している。
町の住民より敗残兵と難民の方がはるかに多い有様で、しかも時と共に増えていた。
手荷物を抱えて疲れ切った開拓民達や辺境村人達、泣く泣く自領から避難した領地貴族やその郎党、ベルネシア軍を恐れて逃げてきた平民達。教会の炊き出しに多くの人々が並んでいる。
多くはエスパーナ系や外国からの移民で、行き場がないのか奴隷らしき者達も目立つ。例外は先住民系で、彼らの姿だけは少なかった。
第3ウルダネタ義勇兵旅団第二連隊の生き残り約250名を率い、エル・パチョの町に後退してきたノラスコ中尉は疲れ顔で、民間人を捕まえて尋ねる。
「どうなっているんだ? ここからは対岸に渡れないのか?」
「渡っている奴は居るよ」
民間人の男は河を指した。
土色の川面を、棒材で作られた筏や急造の舟がえっちらおっちらと渡っていた。
「なんだ、あれは」
ノラスコ中尉が唖然として問えば、民間人の男が溜息を返す。
「対岸に居る君らのお仲間が、船をみんな処分しちまったんだよ。ベルネシア人が河を渡れないように、てな。おかげで、ああやって自作の筏や小舟で渡るしかない」
と、筏の一つがバランスを崩して横転。難民と彼らの荷物が水飛沫を上げる。慌てて筏に上がろうともがく難民達を水棲の肉食性モンスター達が悠々と襲い、土色の川水が紅く染まっていく。
「ああ……」と川面の様子を見ていた人々が悲嘆と嘆息をこぼし、渡河中の人々が慄然としながらもいそいそと対岸を目指す。
「ここで餌にありつけると学んだらしくてな。モンスターがうようよいる」
「なんてことだ……」
絶句するノラスコ中尉に、民間人は倦んだ顔で慰めるように言い、
「ここはまだマシだ。少なくとも砲弾は飛んでこない。幹線道路や開拓道路に繋がってる港町はベルネシア軍の空襲に晒されてるって話だ」
どこか他人事のように言った。
「ま、それもいつまでのことか、分からんがね……あんたら軍服を着た連中が増えれば、ベルネシア人も放っては置かないだろうさ」
ノラスコ中尉が言葉を失っている間に、エクトルとマルティンは他の兵士達と共に教会の炊き出しに並び、肉入りの麦粥を受け取っていた。
「この肉、えらく硬いな。何の肉だろ?」
マルティンが眉間に皺を刻みながら訝っていると、槍を担いだ冒険者らしい男がからかうように笑う。
「その肉はあそこにいる奴らのさ。よく肥えてるぞ」
冒険者らしい男が指差す先はバリマ河。難民達を襲っている水棲モンスター達の肉だった。
エクトルはえづくように、人を食らう畜生の肉を吐き捨てた。
「もったいねェ。しっかり食っとけよ、坊主」冒険者はげらげらと笑い、その場を去っていく。
「……くそっ!」
毒づくエクトルに、マルティンはどんよりした昏い目を向け、言った。
「肉、食わないならくれよ」
○
ベルネシア軍の新型重装飛空短艇ティプ86は、従来の帆走ではなく汽走飛空船だ。
船体後部に蒸気機関を詰み、シャフトを通じて船尾に据えられたプロペラをぶんぶん回す。また同機関の駆動を船首の多銃身回転式機関銃にも利用しており、ミランディア兵が『鉄の雨』と呼ぶ猛弾幕を可能としていた。
もっとも技術的未成熟の代物らしくティプ86の作戦稼働率は、開戦から徐々に下がり始めている。
蒸気機関から動力を伝えるプロペラシャフトやドライブシャフト、デフなどが飛空短艇の空戦機動の荷重に耐えられなかったり。大気濃度に伴うボイラー圧や燃焼温度の変動性が熱疲労を早めたり。駆動伝達系を機関銃とプロペラで共有している関係から、機関銃発射時の振動でギアやジョイントを破損させたり。
黎明期特有の技術的未成熟が故障や損耗を多発させている。
また新式の機械化兵器に十分対応できる整備兵や技師が明らかに足りていなかった。白獅子財閥は蒸気機関の販売網を整える際、社員教育用に絵図を多用した整備マニュアルを作成していたし、装甲車や装甲ロードトレインや工兵隊用重機などで機械化兵器用の教育を進めていた陸軍に対し、海軍の機械化が進んでいなかったことも(完全汽走軍艦が採用されたのは地中海戦争が初めてだ)、この対応可能人員の不足を招いていた。
書類に目を通し終え、ヴィルミーナはチェック柄のテーブルクロスが敷かれた卓に置く。
王都オーステルガムでも指折りの高級レストランの一角。ヴィルミーナは卓の向かいに座る老人へ言った。
「技術的成熟度の深化と運用体制に改善の要あり。これ以上の感想はないわ」
ベルネシア三大造船会社の一角オーレンの老会長は渋面で深々と嘆息をこぼす。
「同感ですな。何から何まで未熟でどこから手を付けて良いか悩ましいほどです」
「御苦労お察しする」ヴィルミーナはちっとも心のこもっていない声色で告げ「それで、私にどうして欲しいと? 動力関係なら既に御社へ技術支援しているし、弊社で担当している機械部品の精度や品質に問題もないはずよ」
「ティプ86は我が社の社運を賭けた新型短艇です。これがコケると大変なことになる」
オーレンの老会長は苦々しく言った。
ベルネシア三大造船会社と言えば聞こえはいいが、業界最大手はノルンハイムで、ノルンハイムと鎬を削り合うラインヴェルメが業界二位。両者に比べると、オーレンは一枚劣る。そして、業界シェアでは大きく譲るものの、白獅子の造船部門は技術力で三大造船会社にまったく引けを取らないどころか、肝を冷やさせさえする。
言葉通り、ティプ86はオーレンの社運を賭している。なんたって、開発に老会長が私財を投じたほどだ。
ヴィルミーナは白ワインを口に運び、グラスを手の中で弄びながら、老人を見据えた。
「私から何かしらを引き出したいなら、もっと素直になりなさいな、御老体」
怪物の紺碧色の瞳に捉えられた老会長は、降参するように小さく両手を上げた後、大きく深呼吸し、罪を告解するように述べた。
「我慢ならんのですよ」
老人の枯れた顔にぎらぎらと生々しい活力が浮かび上がる。
「出来ることならば、人生の最後に手掛ける船はウィレム・フリードの後継飛空艦にしたかったが、叶いそうにない。ティプ86は私の手掛ける最後の船になるでしょう。である以上、ティプ86が欠陥船や未完成船などという評価に甘んじることは、我慢ならんのです」
「冥府へ赴く土産に誉が欲しいと」
「然様です」
老会長は熱意を宿した眼でヴィルミーナを見つめ、獰猛に口端を歪めた。
「この戦が決まった時、私が如何に歓喜したことか。我が遺作が戦場で武勲を上げ、次代を担う船と認められる機会を得たのです。なんとしても、功名を遂げたい……っ!」
蝋燭は燃え尽きる刹那が最も輝くとゆうけれど、この爺様はそのクチやな。ヴィルミーナはくすくすと上品に喉を鳴らし、目を細めて頷く。
「良いわ。弊社は取引相手を大事にするという評判と信用を重んじている。商売が成立する範疇なら協力を惜しまない。貴社が陸運における機械化車輛の普及に掣肘を加えないという条件を飲んでくれたことを忘れていないしね。まぁ、その辺りはノルンハイムとラインヴェルメも同じだけれど」
ヴィルミーナはグラスを掲げ、
「貴方の冥府の土産。傑作船にしましょう」
「感謝します」
老会長も応じるようにグラスを掲げ、カチンと打ち合わせた。
○
大クレテア王国の姫君クラリス・アンリエッタ・ド・クレテアはウィレム・デア・レンデルバッハ=クライフと文通を重ね、交流を進めている。
二年前に世界初のモーターレースで知己を得て以来、アンリエッタはウィレムの嫁にならんと欲し、筆まめに手紙を送り、折々の贈り物をやり取りしていた。
出来ることならば、頻繁とはいかずとも定期的に直接顔を合わせる場を設けたかったが、こちらは大国の姫で向こうは王族の嫡男という立場では、なかなかに難しい。マメに文通を交わして少しずつ距離を詰めていくしかなかった。
今のところ、努力は着実に結んでいる。
此度の手紙で、ウィレムはついに自分をクラリスと呼んでくれるようになった。アンリエッタをクラリスと呼ぶ者は、この世でウィレムとクレテア大司教くらいだ。父母ですらクラリスとは呼ばない。
蜘蛛が網を編むように手紙を重ねてようやく成し遂げた。
少しはウィレム様の特別な存在になれたかしら。むふふふ。
クラリス・アンリエッタ・ド・クレテア。恋の駆け引きを楽しむ14歳である。
と、ドアがノックされて第一王女付の侍女が入室し、恭しく一礼して告げた。
「申し上げます、アンリエッタ様。テレーズ殿下がお呼びです」
アンリエッタはマロっぽい眉の片方を上げた。
「御姉様が? 御用向きは?」
「……いつものです、アンリエッタ様」と侍女は微苦笑を返す。
「まったく……御父様が早く御姉様の嫁ぎ先をお決めにならないから」
アンリエッタはげんなりと溜息をこぼした後、侍女へ告げる。
「承知したわ。10分ほどしたら伺うと御姉様に伝えておいて」
「畏まりました」
退室していく姉の侍女を見送り、部屋の隅に控えていた自身の御付き侍女へ言った。
「仮に御姉様が嫁ぐとしたら、どこになると思う?」
「国外は無いかと。陛下はテレーズ様を危険な地へ嫁がせはなさらないでしょう」
ここ20年、クレテアは長年の敵国だったイストリアとベルネシアの両国と協商圏を築き、上手くやっているが、まだ第一王女を嫁がせるほどの仲ではない。
ガルムラントのエスパーナ正統王朝がテレーズに秋波を寄こしているが、アンリ16世は三国志状態のガルムラントに愛娘を嫁がせたりしない。他のガルムラント二国は論外だ。
聖冠連合帝国は新生ソルニオル公にアンリ16世の歳の近い姪を嫁がせたから、テレーズを嫁入りさせてる政治的効果が薄い。
アルグシア連邦とカロルレンは内情が危うい。やはり可愛い長女を送り出したくない。
大陸南方侵略計画を考慮すると、地中海に臨むコルヴォラントの属国タウリグニアかランドルディアという選択肢は悪くないが……些か難しい。
「でも、国内も適当な家がないでしょう? サルレアン公家周りは論外だし、伯母様達に近しいお家に嫁ぐ意味はないし、そうなると南部諸侯だけれど、年齢的に御姉様と釣り合う殿方というと……ベル=ゼル公家のトマ様かエスタープ公家のエリー=ルイ様くらい? でも、どちらも、なんというか御姉様には釣り合わないでしょ」
前者はパッとしねェボンクラで、後者は退屈な天文学オタクだ。御姉様の好みじゃない。
「お歳が少々離れますが、ド・ラクロワ伯など評判の方ですけれど」
ああ。確かに。宮廷でも文武両道で性格も良いイケメンと評判だ。でも、御家がね。代々の借金が大きすぎて貧乏臭いのが頂けない。王女の降嫁先が貧乏貴族じゃあね。
「いっそ、イストリア辺りに打診してはどうかしら。ノーザンラント半島旧王家ならイストリアの臭いも薄いでしょう」
「それはなんとも」侍女は明言を避け、壁時計を一瞥する。「姫様。そろそろテレーズ殿下の許へ向かいませんと」
「はいはい」
アンリエッタは腰を上げ、モスグリーンのウィンタードレスの裾を大きく揺らしながら自室を出て、姉の部屋へ向かう。
廊下の窓から覗く中庭では、兄の第一王子ルイ8世が歳幼い愛人――まだ10歳の伯爵令嬢に膝枕されている。
相変わらずね、ルイ御兄様。
次期国王候補筆頭であるルイ8世はなんというか、酷く低俗な表現を用いると、幼女のママ味を耽溺する業深い趣味の持ち主だった。
母マリー・ヨハンナは『まあ、猟奇趣味よりマシでしょう』と匙を投げている。父アンリ16世は『幼女に漁色するなら処断するところだが、まあ、一人くらいなら』。ちなみに重臣達や貴族達は幼い娘や孫娘をルイ8世に会わせないよう苦心している始末だ。
王宮の中庭で堂々と幼女に甘える兄を冷厳に一瞥し、アンリエッタは足早に姉の部屋を目指す。
「アンリエッタ様がお越しになりました」
部屋の前に控える女性騎士がドアをノックして口上を述べてから、ドアを開ける。
「どうぞ、アンリエッタ様」
アンリエッタは女性騎士に目線で礼を告げ、姉の部屋に入った。
18歳を迎える王女テレーズ・アデライード・ド・クレテアは、クレテアの薔薇と謳われるに相応しい美少女で、窓辺に座る様はまさに一輪の薔薇のように美麗極まる。
「お召しに応えて参りましたよ、御姉様」
「よく来たわね、アンリエッタ」
テレーズは気品溢れる微笑で妹へ着席を促し、侍女達に退室するよう手を振る。そして、部屋に姉妹二人きりとなると――
「ウィレム様から手紙が届いたそうね。私宛ては? 私宛てはあるのよね?」
うきうきした様子で尋ねてきた。
アンリエッタは溜息を堪えきれない。“好み”が被っている点は譲っても良いが、いい加減、意中の男子との文通に姉を加えねばならない妹の心情を慮って欲しい。
「ええ。ええ。毎度毎度、私の手紙に御姉様が手紙を同封するものですから、ウィレム様は律儀に返信を下さいますとも」
嫌みを込めて答えるも、テレーズはまったく気にせず、早く手紙をよこせと手を差し出すのみだ。
アンリエッタは思う。万が一にも、姉がウィレムと結ばれるようなことになったなら。
これはもう戦争するしかあるまい。
昨年からグダグダしている今章ですが、気長にお付き合いください(懇願)




