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転生令嬢ヴィルミーナの場合  作者: 白煙モクスケ
第3部:淑女時代

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20:7

大変お待たせして申し訳ありません。

 コルヴォラント半島北西部にあるタウリグニア共和国について語ろう。


 ブングルト山脈に近い冷涼な山岳地のため耕作地が乏しい。美しい山々は鉱物資源の類を蓄えておらず産業の基盤にならない。難地形とモンスターの生体系の関係から林業も不振(木材の搬出コストが高すぎる)。ティロレの陸運で得た物資をエトナ海の海運へ転売する利鞘や金融業でなんとか食い扶持を賄う貧乏国家だ。


 中世初期に西レムス帝国が滅亡し、コルヴォラントが群雄割拠の時代を迎えた頃、タウリグニアは都市国家が集合離散を繰り返した。一時は現国土の大半をランドルディアに征服され、従属した時代もあった。


 紆余曲折の末、現在の貴族共和制に至ったものの、実態は都市国家の寄せ集めだった頃と然程変わらない。

 通商貿易拠点や仲卸中継拠点となる主要都市を領有する少数の大貴族と、自給自足で細々と食っている小身地方領主や自立農村の寄せ集め、というのが実像で、ティロレ利権派閥とエトナ利権派閥の綱引きが常態化していた。


 クレテアの実質的属国となって以降、『御友達料』を支払うことで自治独立を保っているものの、『大国の首輪を外し、タウリグニアに真の独立をっ!』なんて単純な頭の過激派もいたりする。


 此度のコルヴォラント半島の戦争において、タウリグニアは国境防衛戦で多大な出血と出費を強いられ、国内過激派のサボタージュやテロに悩まされていた。親分のクレテアによってコルヴォラント連合軍の脅威が取り除かれてからは、もっぱらクレテア軍の後方支援に尽くしている。

 ティロレ陸運の拡大で金回りが良くなったとはいえ、元々が貧乏な小国だ。クレテアに引っ付いてランドルディアに逆侵攻なんてことは、兵力的にも資金的にも厳しい。


 何よりも、さっさと平和な生活に戻りたい――それがタウリグニアの国家としての総意であった。


 そんな属国の切ない心情を知ってか知らずか、戦後の地中海通商協定を図る事前協議がタウリグニアで開かれることになった。


『貴国はティロレを挟んで我が国と聖冠連合の中間にあるから丁度良い。ナプレは我が国が押さえたエトナ海の海路で来ればよいし、ベルネシアも問題なく来訪できるだろう。ともかく、饗応の用意をしてくれたまへ』

 上記の内容を親分のクレテアから居丈高に伝えられ、子分のタウリグニアは溜息をこぼすしかなかった。


      ○


 秋の終わりが近づき、タウリグニア共和国首都テュリンは冬支度を始めていた。


 テュリンはコルヴォラント北部でも指折りの大都市であり、貧乏国家タウリグニアにあってエトナ海運の窓口である港湾都市ゼーナと並ぶ裕福な街だ。ランドルディアがタウリグニアの大半を制した時代でも独立を保った街でもある。


 そのためか、テュリンは地球で言うところの北イタリア式城塞都市の趣が強い。再開発で通し直した都市内幹線地域以外は、市街戦を想定しているような入り組んだ街並みをしている。


 そんなテュリンにおいて、クレテア、ベルネシア、聖冠連合、ナプレの要人が集まり、戦後の地中海通商協定を話し合う事前協議が開かれた。


 この事前協議に招聘されたヴィルミーナ・デア・レンデルバッハ=クライフ・ディ・エスロナは、その肩書をベルネシア王国府勅任顧問としていたが、実質的なベルネシア代表だった。


 さて、交渉時において無表情(ポーカーフェイス)を作る者は多い。腹の内を探られぬよう感情を抑制するわけだ。


 ヴィルミーナはそうした手法を取らない。練磨した表情筋を用いて堂々と感情を晒す。

 なぜなら、ヴィルミーナは自身の晒した感情を相手がどう認識し、どう思考するかを読み解くことに極めて長けているから。


 権力を持ったロクデナシに金持ちのイカレポンチ、高機能型のクズや秀才のカスや有能のゲス、相互理解の困難なサイコ野郎を相手にして生き延び、社会的勝者になるためには、この手の心理学的手腕の獲得は必須といって良い。

 交渉戦に関して言えば、ヴィルミーナは洞察、観察、推察の達人と言えるだろう。


「鬱憤晴らしに思い切りやらせてもらうわよ」

 その宣言通り、ヴィルミーナは華やかな迎賓館の会議室で女主人のように振る舞った。


 さながら飴玉を配り与えるように、地中海通商の利権の大部分をクレテアと聖冠連合に分け与え、ナプレに余禄をもたらす。


 もっとも、ヴィルミーナはこれまで通り、多くを分け与える代わりに根幹部分で決して譲らなかった。利権自体を直接確保する必要はない。だが、彼らの利権から生じる金穀がベルネシアの、白獅子の懐に入る仕組みは確立する。


 それに、将来的にスエズ運河やパナマ運河のような人工海路が建設され、地中海経由で南洋へ行けるようになるかもしない。その時に備えて発言権を確保しておく。100年、200年後の利益や政治的手札とするために。


「ベルネシアは地中海に関心を持たない。これまでもこれからも。ただし、地中海の嵐がベルネシアに不利益や不幸をもたらすことを甘受しない」

 ヴィルミーナは前世知識(インチキ)を基に、地中海通商におけるベルネシアの『特約条項』を設けることを提案した。


 議題の中心であったクレテアのエトナ海諸島領有案を認め、戦勝賠償金の分配比率を些か譲歩する代価として、諸々の最恵待遇特権、ベルネシア貨物の無制限補償権、ベルネシア民間軍事会社の免責特権付活動権限、地中海開発の参加権、有事におけるベルネシア軍の武力介入権等々を要求する。

 利権の主役はクレテアと聖冠連合であるが、彼らの利権から生じる金穀をしっかり徴収し、その金穀を確実に入手する手立てを整えていった。


 むろん、クレテアも聖冠連合もナプレも国益と権益を守ろうと抵抗を試みる。

 しかして残念ながら、前世からの経験を積み重ねているヴィルミーナにしてみれば、各国の高官など“賢しらなガキ”に過ぎない。


 優秀な観察力、卓越した洞察力、精緻な推理力を基に、交渉決裂の際まで会議を荒らしながらも素早く撤退したり。睦み事を囁くような懐柔案で翻弄しながらも手酷くあしらったり。そうして各国高官を手玉に取り、虚実自在の交渉で言質を引きずり出す。

 事前協議はまるで大飛竜が鷲頭獅子の幼獣達を小突き回しているような様相を呈していた。


 あくまで此度は事前協議である。

 が、ベルネシアがヴィルミーナの作り上げた叩き台を基調に進めることは間違いなかった。なんせヴィルミーナに思うところが大きい王国府の官僚達でさえ、ヴィルミーナの実務能力を否定できないのだから。


 クレテアや聖冠連合にしてみれば、鬱陶しいことこの上ない状況であり、ナプレにとって大泣きしたい有様だった。

 タウリグニア高官は疲れ切った顔で慨嘆した。

「ありゃ魔女だ」


       ○


 タウリグニア共和国首都テュリンの迎賓館。乳白色の雲の切れ目から陽光が注ぐも、幾分肌寒さを覚える昼下がり。


 幾何模様の素晴らしい庭園を見下ろせるテラスで、ヴィルミーナはブランデー入りの紅茶を嗜んでいた。

 その佇まいは実に美しい。


 30を迎えた今。乙女から淑女になったヴィルミーナはますます美しくなっていた。

 艶やかな薄茶色の長髪。活力に満ちた紺碧色の瞳。磨き上げられた乳白色の肌。30を迎えて色香に満ちた細面。絞られた体つき。若さに頼らぬ麗しさはどこか化生染みている。


 加えて、ヴィルミーナは美貌を高価な衣装で飾っていた。最高級の絹で作られた黒いマーメイドスカートとジャケット、真っ白なフリルブラウス。深紅の革コートをマントのように肩掛けしていた。

 現代地球なら犯罪結社の女ボスと誤解されるかもしれないが。


 レース柄の白いクロスが掛けられたテーブルの向かい側で、

「10年前を思い出しますな」

 クレテア王国高官オリビエ・ド・ラ・レジナエ卿がベント型煙管を吹かしながら言った。

 フランスの名優ジェラール・ドパルデュー似の強面とがっしりした体躯の持ち主だ。洒脱な衣装をまとっているが、文官より武官に見える。


 レジナエ卿は煙管を吹かしながら、対面に座るヴィルミーナをねめつけた。

「10年前のボーヘンヴュッセルで、貴女は予想した。カロルレンは10年持たないと。しかし彼の国は今も存命だ。内は随分と荒れているようですがね。貴女の予想が外れた事実は変わらない」


 ヴィルミーナは小さく肩を竦める。

「私は預言者ではないわ、レジナエ卿。そも、私の予測が斯くも的中するなら地中海で戦など起きなかった。コルヴォラント諸国がこれほど愚かな挑戦に励むなんて、想像の外よ」


「真に想像の外は貴女を直接的に傷つけ、名誉を貶める者が現れたことでは?」

 レジナエ卿は尊大な態度を崩さずに毒を吐く。

「しかもその者が貴女の御親族だった。なんとも皮肉ですな」


「これは手厳しい」ヴィルミーナは柔らかく微笑み「会議の意趣返しかしら?」

「私にイストリア人のような嫌みを吐く趣味はありません」


 鼻で笑い飛ばす高慢な物言いに、ヴィルミーナの背後で護衛達が眉間に皺を刻む。も、ヴィルミーナ自身は目を細めるに留めた。


 煙管を大きな手の中で弄りながら、レジナエは言葉を続ける。

「ヴィルミーナ様。貴女は少し前まで本気でベルモンテを地獄へ落とそうとしていた。無謀な挑戦者だけでなく、ベルモンテの民までも。ところが、ここにきて急にベルモンテへ寛恕を示し始めている。祖国では貴女が日和ったと考える者もいるようだが……」


 レジナエは鋭い目つきでヴィルミーナを睥睨した。

「かつて貴女は我が国の経済的脊椎をへし折り、ベルネシア経済界を引き連れて我が国の経済を蹂躙した。それに、カロルレンの段階的征服案や分割案を企図した。そのような貴女が日和るなどあり得ない」


「酷い謂れようだこと」

 ヴィルミーナは喉を鳴らした。紺碧色の双眸が酷く冷たくなっていく。

「クレテアは何が気に入らない? そちらの提案したエトナ海諸島領有も上手くまとまったでしょう? 戦勝賠償金の分配に関しても不満は無いと思うけれど?」


「我々は貴女とベルモンテという不安材料を整理したいのだ」

 大きな煙管を吹かして大量の紫煙を燻らせてから、レジナエは言った。

「事前協議に貴女を招聘したことも、そうした意味合いが大きい」


「ふうん。なるほど。貴国の憂慮は理解した」

 ヴィルミーナは椅子の肘置きを使って頬杖を突く。

「であるから、ベルモンテの密使を連れて来たのね」


「!?」

 経験豊富で老獪な練達の外交官レジナエをして動揺を避けられなかった。

 事前協議にベルモンテ密使を連れ込んだことは、第一級の機密活動だった。クレテア国内でも中枢のごく一部しか把握していないことを、なぜこの女が知っている?


「レジナエ卿。貴殿も貴国も勘違いしている。ベルモンテの命運は私が握っているのではない。私は彼ら自身の選択に応えるだけだ」

 動揺するレジナエへ薄く微笑み、ヴィルミーナは言った。女王のように。


「密使を連れてこい。会ってやる」


       ○


「ベルモンテ公王弟御息女ヴィルミーナ様の御尊顔を拝謁する栄誉を賜り、恐悦至極にございます」

 萎れた小鬼猿みたいな容姿の老婆がカーテシーではなく、片膝をついて挨拶口上を述べた。

 ベルモンテから訪れた密使オルテ侯爵夫人の口上を聞き、ヴィルミーナは苦笑いをこぼす。


「愉快な口上だ。我が母ベルネシア王妹大公の娘や白獅子財閥総帥と称したことはあったが、ベルモンテ公王弟の娘を名乗ったことは一度もない。ましてや、亡き父が公王弟と呼ばれていることも初耳だ」

 冷たい目で小柄な老婆を見据え、ヴィルミーナは諮る。

「オルテ侯爵家はベルモンテ公王太后陛下の御生家であり、貴女は私の大叔母に当たられると伺ったが如何に」


「畏れ多くも、我が姉はヴィルミーナ様の祖母に当たりますれば、御指摘の通りに」

 深々と一礼する小柄な大叔母。

 ヴィルミーナが身内に甘いことは周知されている。血のつながりを持つ身内であることをアピールしているのだろうか。


「では、大叔母様と呼ばせて頂こう。まずは御着席されよ。それでは話が出来ん」

 親愛の情など欠片も籠っていない声色で告げ、ヴィルミーナは初対面の大叔母に着席を促す。


 オルテ侯爵夫人は一礼の後、着席。慎重に言葉を編む。

「此度、この老骨が参じましたるは我が従甥にしてヴィルミーナ様の従兄、現ベルモンテ国王代理を担うピエトロ王太子殿下の命により、ヴィルミーナ様とエスロナ家の和解を橋渡しせんがため。公使ならぬ非礼はどうか御容赦を」


「こちらこそ、不肖の従姪として大叔母様に御苦労を掛けていることを詫びよう。されど、大叔母様。私は(くだん)に関し、国教会に委ねている。このような形で大叔母様の御訪問を受けること自体、国教会への不義理であることを御承知されているか?」


「ベルネシア国教会の大司教殿がヴィルミーナ様とエスロナ家の仲裁に奔走されていることは承知しております。然れども然れども、ベルネシア大司教様の誠心を以ってしても宗派違いの諍いは乗り越え難く。議論白熱すれども、解決の道、未だ定まらず」

 オルテ侯爵夫人はヴィルミーナへ静かに語り掛ける。

「誠真と道理を以って和合ならずんば、残るは情と血の(ゆかり)に縋るしかありますまい」


「その言、まことに」

 ヴィルミーナは紺碧色の双眸を凍てつかせ、親しみを抱けぬ大叔母へ静かに告げる。

「不愉快だ」


 瞬間、さながら殺気立った大飛竜のような威圧感に室内の全員が震え上がる。ベルネシア関係者もベルモンテ関係者も、仲介したレジナエすら思わず凍りつく。


 張り詰めた雰囲気の中、ヴィルミーナは感情を抑制したまま言葉を続けた。

「その情と血縁を以って、事態をここまで悪化させたのは、他ならぬ公王ニコロではないか」


 巨獣がゆっくりと牙を剥いたような声音。

 小柄なオルテ侯爵夫人は顔から血の気を引かせ、体や唇を震わせながらも、己が務めを果たすべく言葉を紡いだ。この老い先短い淑女もまた、為すべきを為さんと戦っていた。


「ヴィルミーナ様の御怒りは正しく道理にて。然れども、然れども、もはや我らには血族の情と縁を以って御身の慈悲と寛恕を乞い願う他ないのです」

 小柄な老婆は椅子から腰を上げ、床に跪く。

「どうかベルモンテをお許しくださいませ。どうかベルモンテに御慈悲を下さいませ。ベルモンテの無辜なる民に寛恕をお与えくださいませ。どうか、どうか」


 侯爵夫人という貴顕の身でありながら乞食の如く縋る大叔母の姿に、ヴィルミーナはゆっくりと息を吐いた。

「大叔母様。先にも述べたが、私はこの件を国教会に委ね、エスロナ家とベルモンテに選択肢を与えている。大変なお役目を背負い、祖国を救わんと務める大叔母様の御心情、またその御覚悟は尊重すれど、考えを改める気はない」


 ヴィルミーナは大叔母を労うように言葉を重ねた。

「カーパキエは滅んだ。このことの意味をよくよく考えるようベルモンテに伝えられよ。これが貴女の従姪として、エスロナの血を引く者として示せる情と血縁の限りである」


「……承りました」

 オルテ侯爵夫人は項垂れるように首肯した。


      ○


「ベルモンテ密使はヴィーナ様の忠告を理解したかしら」

 随行員として同道しているパウラが呟き、

「素気無く拒絶された、程度の認識だろ」

 同じく随行員としてタウリグニアに赴いてきたアストリードが吐き捨てるように言う。

 銀製ケースから取り出した細巻をくわえ、魔導術で火を点す。盛大に紫煙を吐くと、どこかレモンを思わせる香りが広がった。


「カーパキエが滅んだ意味を察してりゃあ、暢気に密使なんて寄越さないよ」

「まあ、そうでしょうね」

 パウラはぼやくように慨嘆する。


 カーパキエの滅亡が意味すること。それはコルヴォラントの再編を列強が認めたということだ。これは列強に不都合がなければ、ベルモンテやその他の国とて滅んでも構わないという事実の裏返しでもある。


 コルヴォラントの諸指導者の中で、この傲慢極まる見解を察している者はいない。老獪なニコロもモリア=フェデーラ公国の御隠居も気づいていないし、腹黒が揃っている法王国のお偉いさん方も想像すらしていない。


 当然だ。

 彼らには『自分達の国が滅んでも良い程度に思われているはずがない』という思い込みがある。列強が自分の国が取るに足らない存在と見做している事実を容認できない。


 自分達の国はそんな軽々なものではないという自負や自尊心。列強とて自分達に一目置いているだろうという期待。そうした意識から列強の残酷な傲慢さを見抜けない。


「結局のところ、連中は危機感が足りないんだよ」

 紫煙を燻らせながら、アストリードは不愉快そうに鼻を鳴らす。

「木っ端小国が列強を敵に回して、無事で済むわけないってのにさ」


 事実、聖冠連合帝国は東征でディビアラント内の国家を武力で征服し、併呑し、滅ぼしている。ベルネシアとクレテアも外洋で現地国家を滅ぼしたり、領土を強奪したりしている。

 近代における列強とは、飢えた狼の群れであり、獰猛な鮫の群れであり、無慈悲な怪物の群れであり、凶悪な侵略国家の群れである。


「メーヴラントにしてみれば、コルヴォラントのカッペ共が地中海を荒らさない限り、半島の中でどれだけ殺し合おうが知ったことじゃない。その事実に連中はいつ気付くやら」

 アストリードが悪辣な笑みと共に嗤う。

「気づいた時が見ものだ」


「あんた、性格が悪くなったわね……」

 パウラは溜息をこぼし、顔を引き締めて親友に問う。

「ネズミの方は動くかな?」


「動いて欲しいね。国潰しはベルネシア戦役以来だ」

 アストリードは細巻を吹かし、目つきを吊り上げた。このバツイチ狂犬は側近衆内でもマリサに並ぶ武闘派の一角だ。

「奴らが馬鹿をすれば、あの時の興奮と達成感をもう一度味わえる」


「ほんと……あんた、性格悪くなったわね」

 パウラはしみじみと溜息を吐きつつも、口端を歪に釣り上げた。

「まあ、気持ちは分かるけれど」

ツイッターの方で励ましのメッセージを下さった方々、この場で御礼申し上げます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] カロルレンはドラン君が頑張っているのかな? [気になる点] >「ネズミの方は動くかな?」 ニコロはヴィーナ様の殺害のを狙っている様だが、今回の事前協議中に仕掛けるつもりかな?ナプレやク…
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