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ドレッドノート  作者: 岩裂根裂
第1章・蒼の紋章
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第3話・少年少女、運命と出会う

 「どう思う?」


 話を切り出したのは、ガイだった。


 「どう思うって……どう見ても普通の女の子だよ。着てる服は変だけど」


 魔物の討伐に出て発見したのは、なんと女の子だった。銀色の髪で、顔は結構可愛い。けど、着ている服は俺達の物とは全く違う。

 女の子は、肌にぴったりとくっついてるような物を身につけていた。


 「さて、どうしたものかな」


 「どうしたもこうしたもない!こんなとこに置いてけないだろ、村に連れて行こうよ」


 「……そうだな。放置はできない。村に連れて行って、目を覚ましたら──。」


 ガイが言いかけたところで、ズシンと音が鳴る。


 「なんだ!?」


 「地震……か?」


 何度も、何度も、地面が揺れる。これだけの地震が連続で起きるなんて普通じゃない。それに、段々揺れが激しくなってる気もする。

 けど、揺れは突然消えた。何故だろうと辺りを見回すと、さっきまではなかった物を見つける。

 不気味なほどに巨大な()()は、俺達を……獲物を見つけて、歩くのをやめたんだ。


 「グギャアアアアアアアアア!!!!!」


 耳が割れそうなほどの雄叫びを上げる、巨大な魔物。こんなのの討伐を俺達に任せた?冗談だろ!

 ソムラ周辺に現れるような魔物じゃない、他の大陸でも滅多に見ないと思う。


 「「デ、デカすぎ……」」


 あまりの巨大さに、思わず腰を抜かしてしまう。

 怖い。怖い。怖い。こんなのがいるなんて聞いてない。ここにいたら、絶対死ぬ。でも、身体が動かない。

 そんな俺の身体を、ガイが持ち上げてくれる。


 「蒼吾、立てるか!? 逃げるぞ!!」


 「あっ……お、おう!……あっ!?」


 討伐なんか無理だ、命がいくつあっても足りない。俺達は一目散に逃げ出した。

 けど俺は、ある存在をここで思い出す。


 「あの女の子は……!」


 木陰に横たわっていた女の子だ。俺達が逃げたら、あの女の子はどうなるんだ!


 「蒼吾……!? 何やってるバカ、死ぬぞ! 戻れ蒼悟!!」


 ガイの必死な声が聞こえてくる。けど、動き出した身体は女の子にまっすぐ向かっていく。


 「俺達が逃げたら、この女の子はどうなんだよ!! 魔物如きに負けっかよ……絶対守ってやる!!」


 女の子に前に立ち、魔物を睨みつける。

 だけどデカい魔物を前にして、足がまた震え出す。今すぐ逃げろって声が、頭の中に響いてる。

 ────けどそんなの、関係ない。

 守るって決めたんだ。今この子を守れるのは俺しかいないんだ。

 こんなやつ、木刀で十分だ!


 「うわあああっっ!!」


 勇気を振り絞って、魔物に向かって走り出す。

 木刀で殴りつける。殴る。殴る。

 恐怖を隠すように必死に打ち込む。けど……。


 「あぐっ!?」


 魔物は邪魔な物を跳ね除けるようにして、俺を女の子の近くまで吹き飛ばす。

 木刀は折れ、痛みで身体が言うことを聞かない。

 そんな俺に、魔物が鋭い爪を突き出す。


 この子も守れないで、ガイにいいとこ見せらないで、俺、死ぬのか……?


 目の前が、ぼんやりしてくる。

 視界の端で、蒼い光がうっすらと見えたような気がした。


 迫ってくる魔物の爪を見ながら、俺の意識は薄れていった。

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