diary3
ある日、ベル様が私をお呼びになりましたの。
何があったのかと謁見の間におられますベル様の下を尋ねると、お客様がいらっしゃっておりました。
お客様、というかなんといいますか。
道場破りのようなものでしょうか。
どうやら、ベル様に勝負を挑みにやってこられたようです。
私に一体どんな用件があるのでしょうか。
疑問に思ってベル様を見つめていましたら、ベル様と視線が絡むじゃありませんか。
その黒い瞳に妖艶さを滲ませて見つめられますと、もう我慢できるはずがありません。
お客様(?)の前だということも忘れて、私ベル様に抱きついて口付けしましたの。
ベル様は引き剥がすこともなく、それを受け入れてくれましたの。
しかも、ベル様から舌を入れられて口の中を蹂躙されました。
嬉しいことなのですけれど…
なぜでしょうか、それが不自然に思えてなりません。
唇を離してベル様を観察します。
違和感の正体は、すぐにわかりましたの。
お客様が、怒鳴られたからですわ。
どうやら、以前政務で訪れた村の方だったようで、私を見初めてやってこられたみたいです。
で、ベル様は馬鹿馬鹿しくなられたようでした。
力でねじ伏せれば早いでしょうに…と思うのですが。
どうやらベル様、精神的にダメージを与える方法をお取りになったようでした。
お客様はベル様の思惑にのって、苦悶の表情を浮かべ、怒鳴りながらベル様に向かってきました。
ベル様は、私を自身の背後へ押しやってから、お客様を1撃でお沈めになられましたの。
格好よすぎて私悶絶致しました。
思わず後ろから抱きしめて首筋に口付けしてしまいましたの。
すると、首元を押さえて光速で振り向かれて口をパクパクさせておられました。
耳まで真っ赤で、やっぱりまだまだ子供なのですね。
そんなところも可愛いのですけれど。
それを見ていたのか、かろうじて意識のあったらしいお客様が、ぐふっと言いながら気絶しました。
武力だけでなく精神的にも完璧にのして差し上げるとは、さすがベル様です。
成長なさいましたね。
私、ベル様に御仕えできて幸せでございます。