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プロローグ
ある種のフィクション、ファンタジーとしてお読みください。
「なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないのよ!」
いつだってあたしたちのケンカの始まりって言ったら、この文句からだった。
今回は、本当にむかついた。ええもう平手打ちでもなんでも、やってやる。
「あたしみたいに女の子になりたかったら、暴力に走ろうなんてするんじゃないの!」
右手を思いっきり空に上げ、あとはもう力にまかせて奴の頬をぶつだけ、ってときにミカは呪文をとなえる。このスペルさえあればあたしは動けなくなる。それを知っているミカはずるい。
そうだ。あたしは、女の子になりたい。