私の彼氏
私の名前は、麻生 沙耶。
私には付き合ってもうすぐ一年になる彼氏がいる。
彼の名前は、藤代 直人。
顔はまあまあ良い方。性格は優しい方だけど、かなりのサッカー馬鹿。
頭もまあまあ良いほうかな・・・。
あと一週間もすれば、彼の誕生日。
その日、私は彼の家でケーキを作る予定だ。
もちろん、プレゼントも持って行く。
彼が前々から欲しがっていた有名なサッカーチームのユニフォームをちょっとだけ奮発して買った。
彼の喜ぶ顔が見たくて・・・。
私はプレゼントを貰ったときの彼の嬉しそうな顔を想像すると、いつの間にか頬が緩んでいる。
なんだかんだ言っても私は彼にベタ惚れだ。
恥ずかしくて、そんなこと本人には言えないけれど・・・。
今日はいよいよ彼の誕生日当日。
私はプレゼントとケーキの材料を持って彼の家へと急いだ。
私が彼の家にいくと、彼は留守だった。
事前に貰っていた合鍵で私は彼の家へと上がり込んだ。
いつもは汚い彼の部屋がとても綺麗になっていて心底、驚いた。
机の上には、走り書きのメモが置いてあった。
『沙耶へ
ちょっと用事があって、それを済ませてくる。
適当にくつろいどけよ
直人』
「そっか、いないのかぁ。直人が帰ってくる前にケーキ、作っちゃお♪」
私は早速、キッチンに立って、ケーキを作り始めた。
一時間後・・・
「できたぁ!」
私はそう叫んで、今日の傑作を見つめた。
作ったのは彼の好きなチョコレートケーキ。
『Happy Birthday』
ホワイトチョコでそう文字を書いた。
今までで一番の出来だ。
この日の為に、筆記体を練習しておいて良かった・・・。
(直人、遅いなぁ・・・)
そう思って、ドアを見つめていると、勢いよくドアがバンッと開いた。
「遅くなってゴメン!」
そう言って、入ってきたのは直人だった。
直人は汗びっしょりで息も荒かった。
「遅かったね、どうしたの?」
「いや・・・ちょっとサッカーを・・・」
「またぁ?!もう!私、一時間ぐらい前から待ってたんだからね!!」
「ご、ごめん・・・。なあ、機嫌直せよ」
本気で怒っていたけど、そんな情けない顔でおろおろしている直人がとても愛しく見えて、
私は直人を許す事にした。
「嘘だよ。怒ってないよ」
そう言って、笑うと直人の顔がぱっと輝いた。
「ほ、本当か?」
「うん。だから、早くケーキ食べよ」
私はケーキを切り、直人に渡した。
直人は嬉しそうに笑って、美味しそうに食べてくれた。
プレゼントを渡すと、本当に嬉しそうに笑ってくれた。
そう、この笑顔だ。
私が見たかったのは。
その後、私達はいろんな話をしていた。
そんな時、いきなり、
「沙耶」
と直人に呼ばれ、振り向くと、直人にいきなりキスされた。
「?!」
直人は照れ笑いをしながら、頭をポリポリと掻きながら、言った。
「なんか・・・貰ってばっかじゃ悪いだろ・・・」
と。
お互いに顔を真っ赤にして、黙り込む。
びっくりした・・・。でも・・・。
「・・・ありがと」
直人はスポーツマン特有の爽やかな笑顔を見せた。
直人、大好きだよ。
これからも喧嘩とかあるかもしれないけど、ずっと一緒にいようね。
私はぎゅっと直人に抱きついた。
私の始めての作品です。
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