011-015 夢の変化
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深い水底。
上には桜色の半透明の水。
満開の桜のように、綺麗な場所。
静かで、落ち着く場所。
『ここの生活は、意外と快適なのよ』
雑念も、束縛もない。
だから落ちて来た石に問う。
『君はそっちで幸せだった?』
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死神様による臨時集会で、怪盗ホーリーが要注意人物に指定された。
万が一、交戦になったら殺害しても良い、とのこと。
「何でわざわざ集会にしたんだろう?」
昨夜の集会が忘れられず、翌日の学校で花菜子に訊ねた。
屋上には、いつの間にか花菜子が持ち込んだ古びたマットが敷かれていて、花菜子はその上で寝転んでいる。
「簡単な話。あそこの魔法石は異様にデカイ。せやから怪盗ホーリーが持ち去るんにも難易度が高かった。
とは言うても、手ぶらで帰りとうない。
そう考えた結果、怪盗ホーリーから魔法石を横取りする予定やった鬼の面の、手にしていた黒い刀あたりを貴重品やー思うて盗ったんやろ」
「なるほど ……」
「まぁ、黒い刀は既に回収済みらしい」
「えっ。じゃぁもう何も問題ないような?」
「ただ、使い物にならなくなっとった。理由は解らん。
が、黒い武器を無効化する能力がある。そんなん、めっちゃ恐ろしいやん。まして、交戦したら誰の武器が狙われるか解らん。
せやから先に殺し、っちゅうことやろ」
あっさりと答えた花菜子が起き上がる。
「まぁ、ウチは紫のやなくて良かったと思っとるけど」
風がビュッと強めに吹いた。
「え? 今、何て?」
「…… 何でもあらへん」
花菜子はそう答えて、また横になってしまう。




