10 間章 ほっとするような日常
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運命の番人との激闘から一夜明けた朝。迷宮社の社員寮には、穏やかな空気が流れていた。
食堂では、いつもより遅い時間の朝食を取る四人の姿があった。
「ふぅ……久しぶりにゆっくり眠れました」
明日香が伸びをしながら、ほっとした表情を見せる。私服の彼女は、APP60の可愛らしさが一層際立っていた。
「私もです。あの激戦の後ですから、体がくたくたでした」
聖子が優しく微笑みながら紅茶を一口。普段の聖職者のローブとは違い、清楚なワンピース姿の彼女は、APP63の輝きをさらに引き立てている。
「しかし、よく考えれば……私たち、第四層の最深部を制覇したんですよね」
紫子が感慨深げに呟く。トレーニングウェア姿の彼女は、銀髪を一つにまとめ、APP56の美しさの中に健康的な活力を感じさせた。
「ああ、そうだな。だが、油断は禁物だ。第五層が待っている」
俺がコーヒーを啜りながら答える。みんな私服姿の中、一人だけ訓練着なのが少し気になった。
「お兄ちゃん、せっかくの休養日なんだから、少しはリラックスしたら?」
明日香が心配そうに言う。
「そうですね、健太さん。今日は任務のことは忘れて、ゆっくりされても」
聖子も優しく同意する。
その時、食堂の入口でカゲトの姿が見えた。
「おはよう、英雄たち」
彼女は飄々とした笑みを浮かべながら近づいてくる。
「今日はお前たちに、特別な褒美をやる」
四人の目が輝く。
「まずは、ボーナスだ。今回の功績に対する報酬として、各自に500万円を支給する」
「「「えっ!?」」」
「そして、三日間の特別休暇を与える。第五層への準備は急ぐが、心身の回復も重要だ」
「ま、まさか……そんな……」
明日香が驚いて目を丸くする。
「当然の報酬だ。第四層制覇は、迷宮社の歴史においても大きな功績なのだから」
カゲトは満足そうに頷く。
「では、ゆっくり休め。私は上層部との会議がある」
そう言ってカゲトは去っていった。
しばらく沈黙が続き、やがて明日香が跳び上がった。
「やったー! 500万円! 私、あの高級魔法書、買っちゃおうかな!」
「私も……新しい聖具を検討してみようかしら」
聖子も嬉しそうにほほえむ。
「紫子はどうする? 新しい盾でも買うか?」
俺が尋ねると、紫子は少し考え込む様子で。
「いえ……今の盾に慣れていますし。せっかくですから、貯金しておきます」
「相変わらず堅実だな」
すると明日香が突然、何かを思いついたように手を叩いた。
「そうだ! みんなで買い物に行かない? せっかくの休みだし、街に出かけようよ!」
「買い物……ですか」
紫子が少し戸惑った表情を見せる。
「いい考えだね。みんなで出かけるのも久しぶりだし」
聖子も賛成する。
「お前はどうする、健太?」
「……仕方ないな。付き合ってやるよ」
こうして、四人で街へ繰り出すことになった。
◆◇◆◇◆◇
伊那市の中心街は、週末の賑わいに包まれていた。迷宮からほど近いこの街は、冒険者たちでいつも活気にあふれている。
「わあ! 久しぶりの街! 訓練ばかりで、すっかりご無沙汰してたんだから」
明日香はウインドウショッピングを楽しみながら、はしゃいでいる。
「本当ですね……こうして普通の街並みを見ると、ダンジョンでの戦いが遠い夢のようです」
聖子も穏やかな笑みを浮かべる。
「しかし……人が多い」
紫子は少し緊張した様子で、無意識に防御姿勢を取りそうになっている。
「大丈夫か、紫子? 街中に敵はいないぞ」
「す、すみません……つい」
魔法道具店では、明日香が高級な魔法書に目を輝かせ、聖子は聖具店で丁寧に品定めをしている。
「お兄ちゃん、この魔法書、見て! 古代語の解読が載ってるんだ!」
「ふむ……確かに、あの古代観測所の文献解読に役立つかもしれないな」
「でしょ? ちょっと高いけど、ボーナスだし買っちゃおうかな」
一方、紫子は武器防具店で、新しい盾を見つめていた。
「……やはり、今の盾が一番使いやすい」
「そうか? でも、たまには別の盾も試してみるといいぞ」
「いえ……この盾は、私と健太さんが一緒に戦ってきた相棒ですから」
その言葉に、なぜか胸が熱くなる。
昼食は、街で評判のレストランを訪れた。
「ここ、前から気になってたんだ! 迷宮産の食材を使った料理が美味しいらしいよ」
明日香が嬉しそうにメニューを開く。
「まあ……お値段が……」
聖子が少し驚いた様子で。
「大丈夫だよ、今日はぜいたくしちゃおう!」
「そうだな、せっかくのボーナスだ」
料理が運ばれてくると、その豪華さに一同息をのんだ。
「これは……迷宮産の幻獣肉……?」
「まさか、こんな高級なものを……」
食事が進むにつれ、会話も弾んでいく。
「そういえば、紫子さんって、普段はどんなことをして過ごしてるんですか?」
聖子が尋ねる。
「主に訓練です。あとは……読書でしょうか」
「え? どんな本が好きなの?」
明日香が興味津々で聞く。
「主に戦術書や歴史書です。たまに……小説も」
「まさか紫子さんが小説を読むなんて! どんなのが好き?」
紫子の頬が少し赤くなる。
「……騎士道物語が……好きです」
「か、かわいい……!」
その意外な一面に、明日香と聖子は大興奮だ。
「では、聖子は? お祈り以外で趣味はあるのか?」
俺が聞くと、聖子は少し照れくさそうに答える。
「実は……お菓子作りが趣味なんです。たまに寮のキッチンで作っています」
「え!? 聖子さん、お菓子作れるんだ! 今度作って!」
「はい、喜んで」
こうして和やかな時間が流れていく。戦いの緊張から解放され、皆の本当の笑顔を見ることができた。
帰り道、夕日に照らされながら寮へ向かう。
「今日は……楽しかったですね」
紫子が静かに呟く。
「ああ、たまにはこういう日も悪くない」
俺も同意する。
「ねえ、みんな! 今度の休みにも、どこか行かない?」
明日香が提案する。
「賛成です。次は私がお菓子を持っていきますね」
聖子も嬉しそうに頷く。
「……私も、また参加します」
紫子の口元に、ほのかな微笑みが浮かぶ。
第五層への挑戦という大きな目標が待ち受ける中、この穏やかな時間は貴重な宝物のように感じられた。仲間との絆が、また一つ深まったことを実感しながら、俺たちは寮へと戻っていった。
今日という日は、戦いの合間の、かけがえのない休息として、それぞれの心に刻まれるだろう。
■ パーティーメンバー ステータス (休養日)
1. 横嶋 健太 (よこじま けんた)
レベル: 45
ステータス:
· STR: 320
· VIT: 305
· AGI: 305
· INT: 300
· DEX: 300
· LUCK: 3000
· APP: 42
現在の状態: 軽い筋肉痛、充実した疲労感
2. 横嶋 明日香 (よこじま あすか)
レベル: 45
ステータス:
· STR: 205
· VIT: 205
· AGI: 235
· INT: 545
· DEX: 295
· LUCK: 80
· APP: 60
現在の状態: 魔法の詠唱しすぎで喉が少し痛い
3. 皇 紫子 (すめらぎ しこ)
レベル: 47
ステータス:
· STR: 510
· VIT: 540
· AGI: 280
· INT: 270
· DEX: 320
· LUCK: 85
· APP: 56
現在の状態: 肩こり、盾を持った腕がだるい
4. 天使 聖子 (てんし せいこ)
レベル: 46
ステータス:
· STR: 205
· VIT: 270
· AGI: 220
· INT: 425
· DEX: 240
· LUCK: 100
· APP: 63
現在の状態: 魔力消耗による軽いめまい
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