表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8


放課後。ようやく帰る目処がついたのは、辺りが暗くなってきた頃だった。


「よし、終わった」


綺麗に揃えた書類の束をホッチキスでとめて、私は大きく背伸びをした。


そして視線をある一点に向ける。


(このやろ……仕事もしないで……)


机に突っ伏し、死んだように動かないのは他でもないあのバカ。


他の役員はすでに帰っていて、生徒会室には私とこいつしかいない。


「起きろ、バカ。帰るよ」


持ってた書類で頭を叩くとむっくりと雄大は起き上がった。


「おわった?」


「うん。ほら、帰ろ」


家が近所だから帰る方向も同じ。

だからなのか、一緒に帰るのが当たり前になってしまっている現状。


(これじゃ勘違いもされるか)


思い当たってやっと納得。


でももう習慣になってるから、今さら別々に帰るのも変な感じだし。


「雅?」


「……っ!!」


気が付くと、目の前に雄大の顔があって。


私は心臓が飛び出るんじゃないかと思うほど、驚いてしまった。


「ちょ……近っ」


払いのけようとして伸ばした手を掴まれた。


そしてだんだんと近付いてくる雄大の顔。


なんでか直視できなくなって、私は目をギュッと瞑った。


「はい、とれた」


「……?」


恐る恐る目を開けると、いつものへらへらと笑う雄大がいた。


距離もいつも通り。


そして掴まれていた手も放された。


「髪にゴミついてたんだ」


そう言ってへらへら笑った雄大は私から離れて二人分の鞄を手に取った。


「置いてっちゃうよ」


そう言い残し、雄大は先に歩き出してしまった。


なのに私はそこからすぐには動けなかった。


なぜなら、自分でもびっくりするほど、顔が火照っていたから。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ