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ぼくらの島  作者: ねむるこ
ゲームと見えない悪魔
35/72

35.ハンティングモード(3)

「ハンティングモードって危なくないの?実際に身体を使ったゲームになるわけだから怪我とかしたら……」

「シミュレーションは済んでるから大丈夫だよ。しかもあのセル社の商品だよ?安全じゃないわけないだろっ」

 真見の不安そうな声に創がすかさず突っ込みを入れる。

「それに神野デザイナーの技術はハンティングモードでこそ輝くんだ!」

 唐突に真文のことを話題に出され、真見は黙り込んだ。今朝の胸騒ぎを思い出す。

「銃だってほら!こんなに種類がある」

 創は軽く右腕を振ると先ほどの青い銃が姿を現す。もう一度手を振れば別の形の銃が出てきた。手を振るごとに様々な形、色の武器に入れ替わる。魔法のようだが全てセル・ディビジョンが見せるバーチャル世界だ。

「一番驚いたのは攻撃の反動がちゃんとあることかな?体に何かぶつかった感覚がするんだ」

 夢中で話す創に真見が驚きの表情を浮かべる。

「痛みを感じるの?」

「全然痛くないよ。ただぶつかったって感覚があるだけ。本当にクリーチャーとゲームの中で戦ってるみたいでワクワクするんだ!」

「撃った時の振動も感じるんだよー。プレイヤー同士は攻撃できないようになってるし。クリーチャーに夢中になって転んだりしない限り安全だよ。クリーチャーが出現する場所も公園とか広場に限定されてるからねー」

 創と良がハンティングモードについて語り出した。

「そうなんだ……」

(いくら超リアル体験と言ってもちゃんと安全性は配慮されてるよね)

 ハンティングモードの詳細を聞いた真見は肩を下ろした。二人はセル・ディビジョンを操作してハンティングモードから観光モードに切り替える。

「創、さっきの戦いで新しい武器が手に入ったみたいだよ」

「やった!」

 真見は良と創が盛り上がっているのを見て微笑んだ。

「そうだ。サンは?」

 良が真見に期待の目を向ける。

「そうだった!……うん。分析が終わったみたいだから呼び出すね」

 真見はセル・ディビジョンのアプリからサンの呼び出しを指示した。地図を浮かび上がらせる。赤い丸がこちらに近づいて来るのが分かる。

 サンは正面から姿を現すと、真見の肩に静かに止まった。その様子を見ていた創が目を輝かせる。

「なんだこいつ?リアルだなあ。本物のロボットみたい」

「ちょっと待って。これは本物のロボットよ」

「え?そうなの?」

 創が驚いた声を上げる。創の大袈裟な反応を見て良と佳史は笑った。セル・ディビジョンを取り外した創は姿が消えないサンを見て笑みを深める。もう一度腕に付け直してから興奮気味に真見の目の前に駆けてきた。

「本当だ!本当に存在するものなんだ!すごい!触ってもいい?」

「いいよ。優しくね」

 興奮が冷めやらぬ創は真見の手からサンを手渡しする。サンは熱心に自分の事を見る創を不思議そうに眺めていた。創の掌を確かめるように歩き回る。

「うわーっ!かわいいなあー」

 創の笑顔を微笑ましく思い真見は口元を緩めた。

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