43ちょっといいかしら
この作品を投稿しだしてもう1年が経ちました
来年は投稿ペースをあげたい……と思うのですが、勉強が今年以上に忙しくなるため同じくらいになるかもしれません
「それで……ゴホン。お母様、お父様……私には夢が出来ました」
そう伝えると、
「わぁぁぁ!何かしら」
とメナードさんは身を乗り出して、
「ふむ……」
とフェルナンドさんは顔をこちらへ向けた。
「私は、私は……このクッキーなどで、世界中の人を幸せにしたいです」
「わぉ!」
「なので……いつかお店を持ちたいです」
真剣な目を2人に向ける。
「ふむ……ならば、もっと勉強をしないとだな。家のお金を使わないでやっていけるように、味だけでなく、どうすれば効果的な宣伝ができるか、コストを削減できるか。そんなことを考えられるようにな」
「はい!」
私はそう言って頭を下げて部屋から立ち去った。
「ふぅ。気に入っていただけたようでよかったわ」
「あれを食べて苦手だと思う人の方が少ないと思います」
メアリーも肯定してくれ、私の頬が緩んだ。
「ふふふっ!さあて、お勉強をしないとね」
「そうですね」
私はメアリーを連れて部屋に向かった。
「ちょっといいかしら。フェル」
「なんだ?」
リューナが去って2人だけとなった空間でメナードはフェルナンドにそういった。
「リュリュ……リューナが変わったことについて」
その言葉にフェルナンドはぴくっと体を反応させた。
「まず、病気が治ったこと。これは当たり前にいい変化。でもあの子それの少し前から性格が変わったわよね」
「……」
「自分の病気を治らないと決めつけ、部屋からでなかったリューナが自分から進んで運動をして……それに、前はお出かけをしたときにはメアリーと宿で休んでいたあの子が迷子になったり……」
そこまで言うとメナードは息を吸い込み何かを決意したように真っ直ぐフェルナンドを見て言った。
「あの子……本当にリューナなの?」
「あの子はリューナだ。それは疑いようのないことだ……とも言い切れないとは思う」
「!!それって……」
「言い伝えだが、違う世界で亡くなった者の意識をこの世界で亡くなった者に乗り移らせる……そんな事を聞いたことがある」
「言い伝え……そんなものあるわけないか」
メナードは目をつむりふふっと笑うと
「ありがとう。私何かおかしいことを言ってしまったかもしれないわ。お仕事頑張ってね」
とだけ言うとフェルナンドの部屋から去っていった。
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