40クッキー
「お嬢様?どうかなさいました?」
あっ……メアリーもいたのよね……恥ずかしっ!
少し顔を赤らめつつ、私はメアリーにクッキーを一つ差出し食べるよう勧めた。
メアリーはまた不思議そうな顔をしつつ、クッキーを口に入れた。
そして、しばらく目をつむり、目を開けた時……
「お嬢様!?これはなんという食べ物ですか!?こんなにおいしい物、今まで食べたことありません!」
喜んでくれてよかった~。私は、これがクッキーだと教え、両親にも食べさせたいの……というと、メアリーは少し考えるそぶりを見せた。
「お二人はお忙しいですものね……でも料理は冷めてる物よりあったかい物の方が美味しいですよね……」
「うーん。なら、二人の部屋にこれを持っていくから、ついてきてくれない?」
その言葉にメアリーは、かしこまりました。と言ってくれた。
「お母様!リューナでございます」
ドアをノックしてもらい言葉をかけると、メナードさんが出てきた。
「リュリュ?どうしたのかしら」
「差し入れを持ってきましたわ」
私は見えないようにクッキーを後ろに隠していた。
「まあ!嬉しいわ!なにかしら」
お母様は私を部屋に入れた。
ソファに座る前、隠していた物を前に出し、メナードさんに見せた。
「?リュリュ、これは何?」
「ふふふ!その前に、一口食べてみてください」
首をかしげつつ、クッキーを口まで持ってきた。
「!!なんて美味しいの!!これ、リュリュが作ったの?」
目を大きく見開いたメナードさんはそう聞いた。
「そうなんです!クッキーという食べ物でして……」
そこまで言うと、
「私の娘がこんなに素晴らしい物を……大変。フェルにも知らせなきゃ」
メナードさんはクッキーの乗った皿を持ち、私の手を引いて(多分)フェルナンドさんの部屋に向かった。




