38……マ!?
寒すぎて布団から出れませんね
「まさか、リューナ様とお見合いをするとは考えてもみなかったです」
「……私もです」
両家の親が退出し、私とルイス様、そして少人数の使用人だけの部屋の中、私はなんだか気まずかった。
知ってる人とのお見合い……マ!?
いやだぁぁぁぁ、帰りたいぃぃぃぃ、そんなことがぐるぐると頭の中をめぐっている。
「――ナ様?リューナ様?」
「!?ハイ!どうされました?」
反応が遅れてしまった。
「大丈夫ですか?」
「え?」
「いえ……なんだかバツが悪そうだったので……」
あれ、バレてる?
「そんなことは……」
「無理をしなくて平気ですよ?」
「……そう言っていただけるとありがたいです……」
本当にその気持ちでいっぱいだった。
「お見合いですが――
そうだった!と思い、その言葉をさえぎるようにして、私は言った。
「私のことはお気になさらず……断ってもらって結構ですよ!?」
私はそういうと、ルイス様もはい!と言うかと思ったが、
「いえ……そうではなくてですね、
と言われたので驚いた。
え!?違うの……?
「僕、親に婚約者をつくれとよく言われるのですが、女性が少し苦手で……。リューナ様さえよければ、形だけでの婚約……というのはどうでしょう?」
……形だけの婚約……?
「……というと?」
「どちらかに好きな人が出来たらお互い婚約解除ができるように手をつくす。……ほかにも、リューナ様が何か付け足したいものがあれば」
……かなり好条件じゃない?
もちろん、ルイス様の家柄の方もいいし、婚約解除もしたくなったらできるかもしれない……。
私は少し間を置き、
「ありがたいですわ。ですが、少し考えても良いでしょうか。もちろん、前向きに検討をさせていただきますわ」
そう答えると、
「ありがとうございます。婚約という重圧から解放されそうです」
そう言うとルイス様は微笑んだ。
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