23契約成功?
「す、すみません!少しお話したいことが―――
私は大人を見ると同時に駆け寄り、あのことを話そうとした。
しかし、
「ん?最初に精霊様と契約を結んで、その後話してね」
と壇に行く列に並ばされてしまった。
すると、前に並んでいたアマリリスが、あれ?と声をかける。
「あれ?リューナちゃん、話があるんじゃなかったの?」
「それが、精霊様と契約を結んでから話してね、って言われちゃってね……」
「え!?別にいいじゃんねー!こっちが後でも!」
「あはは……でも、前の人も少ないし、すぐ終わりそうだから、そしたら行くよ~」
そう?とアマリリスはいうが、またいっても同じことを言われそうなので、大人しく並び順番を待つ。
そしてアマリリスと会話をしていると、リンドウやルイスも加わってきて、楽しく話していると、私たち4人の中で一番前に並んでいたルイスの番になった。
「がんばってね~」
そんな私の言葉にコクッと頷き、壇に上がっていく。
壇の周りはどうしても中が見えないカーテンで隠されていて、その中に入った人しか状況は分からない。
私たちは中は見えないが、ドキドキと待っていると、ルイスが出てきた。
そのままルイスはどこかに連れて行かれた。
そしてすぐにリンドウの番になり、アマリリスの番になり―――
とうとう私の番になった。
私は壇の上までの階段を軽快な足取りで進んでゆく。
そして、カーテンを軽くめくり、中に入ってゆく。
壇の上――カーテンで覆われた中はロウソクが数本かかっており、周りもよく見える十分な灯りだった。
そこに座ろうとしたとき、私は重大なことを思い出した。
あれ……?どうやればいいんだっけ……?
とりあえず、座って、来てくれるように願ったらいいのかな?と私は真ん中で正座をし、手を組む。
その状態で、なにかこい……なにかこい……と思っていると、
紫の光のようなものが前に現れた。
「おお!ほんとに来た……えーっと、こんにちは…?精霊……さん?」
そう挨拶をすると、返答はなし。
このあとどうすれば良いのかまた考えていると、紫の光がぷわぷわとこちらの頭の近くまで漂ってきて、頭に何かが触れたような気がすると、バチッ―――っと何かがはじかれるような音がした。
!?何―――?と驚いていると、光――紫の精霊が私の胸のあたりに触れ、消えた。
しばらく混乱していると、心が暖まったような不思議な感じがすることに気が付いた。
はっ―――もしかして、これは契約できたのかな……
そう1度思うと絶対そうだ!という謎の自身がわいてきて、私はカーテンをめくって階段を降りた。
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