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22ゲームにいそうな敵の奴等

残酷な描写ありです!!

苦手な方はお気を付けください!!!

「ふぁぁ~!寝不足だぁ~」


「俺も」


「僕もです」


 試練2日目、夜は途中で起き見張りを交代でしていたが、特に何もなく朝を迎えることができた。

 そんな中、


「よく寝たわ~」


 1人元気いっぱいの少女が1人。


「リリーだけずるいだろ!ぐっすり寝やがって~!」


 リンドウからのツッコミが入るが、


「だって、私が起きててその時に魔物が出てもなんにもできないんだもの」


 アマリリスはリンドウやルイスよりも剣技やらが優れているわけではなく、得意でもないため昨日は寝ることに専念していたらしい。

 正直ずるいが、ここでアマリリスを見張りにしなにかあったら大変なので、あはは……と苦笑いをして話を終わりにしようと思っていたのに


「それはリリーが全然剣とかを練習してなかったからだろ!」


 と余計な1言(ばくだん)をリンドウが投入する。


「はい!?練習してましたけどぉ~?」


 朝っぱらから喧嘩か……1日に何回喧嘩をするんだろうなと遠い目をした私だった。




 朝食を食べた後、服を着替え、髪を結ぶなどの支度をし早速ゴールに向かおうということでテントをすぐにしまい、出発することになった。

 そうして歩き出すとふとアマリリスからこんな質問がはいる。


「そういえばリューナちゃんってさ、クワソン家の令嬢だって言ってたわよね?」


「うん、そうだけどどうかした?」


「いやー、クワソン家の娘は病弱でか弱い子だって聞いていたから、イメージとは結構違くてね~」


「確かに!病弱そうには見えないしな!」


「魔物をズバズバ斬っていましたし、か弱そうでもありませんしね」


 えっ!?私ってか弱くない……のか?

 とまあそれは一旦置いておいて質問に答えることにした。


「ここ数年まではそうでしたのですが、最近は体づくりなど頑張っていましたから」


「そっかあ。でもリューナちゃんがこんなに可愛いとは知らなかったわ……ねえ?」


「!!――お、おう」


「そうですね」


 リンドウはぼそぼそと、ルイスは淡々とリューナは可愛いということに同意をする。


「まあ!ありがとう」


 そう言って笑顔を見せるとアマリリスは「天使――」と呟きリンドウは少し顔が赤くなったような気がしたのだが、まあ気のせいか。


 そんな他愛もない話で盛り上がっていると、進んでいる方から焦ったような声色の甲高い悲鳴が聞こえてくる。

 

「!!――ちょっと行ってくる」


「あ、リューナちゃん―――


「おい―――


「ちょっと―――


 3人の静止の言葉を聞かず、悲鳴が聞こえた方向に向かう。昨日の3人は、助けて~と言いながらも時間があれば倒せそうな感じだったが、この悲鳴はまずいかもしれないと急ぐ。


 すると、身長は2mはありそうな大柄な男が白髪の女の子を火に円の真ん中に入れ、ちょこちょこ円を小さくし、女の子の反応を見て、楽しんでいる様子だった。

 近くに黒髪の男の子もいたが、女の子が捕まっているため下手に手出しができないのだろう。


「ほらほら~こいつが苦しそうだぞ~いいのか~?」


「ぐっシーラ……」


「お……お願い…ウォレス、逃げて……」


「おいおい、そんなこと言うなよ~ウォレスを信じてやれよ~シーラ~」


 悪趣味な……男の子の反応でも楽しんでいるのか、ニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべている男に私はさっさと決着を付けようと、構えをとる。

 そういえば、剣道と同じような感じでいいのかな?

 人相手の剣術は教わってないがいけると信じ、2人に夢中になっている男の懐に入り込み、まずは右手を斬る。


 それに少しして気づいた男は少し遅れて、悲鳴を上げる。

 耳がおかしくなりそうな大きい悲鳴だったが、火が消えたため、その間に女の子と男の子にできるだけ遠くに行くよういい、2人が立ち去ったのを確認してから出血が止まらない右手首をおさえた巨体男と向き合った。

 男は目を血走らせ、恐ろしい形相でこちらを睨みつける。


「許さない……お前をグシャグシャにしてやる」


「あんたみたいな外道にはこれくらいがお似合いよ」


 その言葉を私が発すると同時、男はこちらへ一直線に走ってき、左手を振り上げ襲い掛かる。

 私は冷静にその左手を切り落とし、腹のあたりを蹴り、ドンッーーと横に倒し、足も切断して無力化する。


「なんで……俺が……こんな小娘なんかに……」


「頭に血が上ったのか知らないけれど、攻撃が単調な、力だけの奴に技術を極めた私が負けるわけないでしょ」


 当たり前のことだ。よーく考えて攻撃しないやつの攻撃なんか、剣技の天才と師匠に言われた私には受け流せるに決まっているだろう。


「さあーて、コイツどうしようかなあ~」


 まあ、急いでゴールして大人呼んで捕まえてもらお。


「お嬢さん、こんにちは」


「ッ―――!?」


 そう耳元でささやかれた。

 耳元で囁かれるまで気配はしなかった。

 ささやかれた方を見ると、薄気味悪い笑みを浮かべた小柄な男がいた。

 その男は私と目が合うと、ニコッと笑い、手を一度高く上げ、勢いよくその手を振り下ろした。


 まずいっ――!


 私は急いでその場から離脱し、私がいたところを見ると、

 地面に半径2mくらいのクレーターのようなものが出来ていた。


「ほぉ―――、あははは、面白いお嬢さんだねぇ。あ、この馬鹿(コイツ)は回収させていただきますね~、ではまたどこかで」


 そのクレーターをつくった小柄な男は、そういうと手や足がない大柄の男を軽々と持ち上げ、1回の瞬きの後にはもういなかった。


 周りを見渡し、居ないことを再度確認してから私はへなへなとその場に座り込んだ。


 怖い、怖い、怖い――――


 私は顔を隠して少し泣いていた。

 それほどまでにあの得体のしれない男が怖かったのだ。

 しばらくそうして、気持ちを落ち着かせていると、


「大丈夫ですかっ――?」


 と声をかけられた。

 涙をふき、そっちを向くと、さっき大柄な男に襲われていた女の子とその女の子に心配そうに付き添っている男の子がいた。


「わあ!あっ大丈夫です。それよりあなたは大丈夫ですか!?」


「はい……服が少し焼けただけで済みました。本当に!本当にありがとうございました」


「僕からも、彼女を助けてくれて本当にありがとうございました」


 無事でよかった―――。

 あの時どうして……と聞けば、2人で一緒にゴールまで向かっていたが背後から突然あの男が現れ、女の子だけを火で囲い、それを楽しんで見ていたらしい。


 やはりかなりのヤバい男だったみたいだ。


「2人はリタイアはしないで大丈夫なようですね。良かったです!では、私は早くゴールして、状況を説明しなくてはならないので」


「あっ待って――――――


 女の子の私を止める声が聞こえた気がするけど、あれは多分気のせいだったのだろう。

 



「あっいた!リューナちゃん、どこ行ってたの~!?」


「心配したんだぞ!?」


「無事で何よりです」


 三者三様の言葉が飛んでくる。

 私はそんな3人に、


「ごめんっ私、急がなきゃだから、何も聞かないでゴール目指してくれないっ―――?」


「ッ―――!分かった。急ごう」


 そうして何があったのか気になるだろうが何も聞かずに道を教えてくれた3人に感謝しながら、ゴール――精霊と契約をする壇に到着する。

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