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21/53

21方向音痴……?

残酷な描写ありです

苦手な方はお気を付けください!

「どこー分かんないー」

 

 開始から少し経った。

 私達が目指すのは広い洞窟内のどこかにある、精霊と契約が出来る壇に行かなくてはならない。地図などは事前に渡されているため、ちゃんと見れば分かるのだが、なぜか私は迷って……?いた。

 他の人について行けばいいのだろうが、私は地図を見て、ここまで来たため、気づいた時には遅かった。

 しかし、魔物と遭遇はしていなかったため、それは不幸中の幸いだろう。


「地図の見方間違えたかな……」


 そんなことを呟くと、ウ゛ーという唸り声が聞こえてきた。

 ……フラグ立てちゃったからかな

 

 私は剣を抜き、構えの姿勢をとる。


 すると、バッ――と1匹の黒い犬のようなものがとびかかってきた。

 斬ろうとしたとき、地面がボコッとなり態勢を崩したため、1度魔物と距離を取る。


 そしてまた飛びかかってきた魔物を尻目に、行く数日前にもらった師匠からのアドバイスを思い出していた。




『リューナ、魔物は元は動物だったけれど、理性のない可哀想なものなの。だから、魔物を殺して、救ってあげなさい。そうすれば、魔物も嬉しいでしょう』


 こう言ってきた。

 それを聞いて私は、あまりいい気はしなかった。

 人間の価値観で勝手に魔物を可哀想と決めつけるのはどうかと思ったからだ。


 そんな私の感情を読み取ってか、師匠はクスッと笑い、こう言ってきた。


『さっきのはね、私の師匠が教えてくれた考え方。これについてどう思うかはリューナの自由だけれど、この世は弱肉強食よ。魔物を殺さなければ、殺すまで追いかけてくる。マーキングでもしているのかしらね。でも、殺す覚悟のない奴から殺される。人も同じ。これは当たり前の常識よ。覚えておきなさい』


『はい』


『頑張ってくるんだぞ。あと、魔物の強さは元の動物の身体能力と着いた何精霊かによって強さは大きく変わる。あの洞窟にいるのは下位精霊が着いた魔物だろうが、気を抜かず、急所を的確に狙いなさいね」


 とのアドバイスをもらった。

 その日からの追い込み練習は、かなりハードだった……


 

 私はこれを聞き、襲ってきた、誰かを襲った魔物しか狩らず決着もすぐに着けるよう決めた。


「……急所を狙って」


 魔物は額の位置に核と呼ばれる玉のようなものが付いている。そこは、精霊がいるところでそれを壊し、首を斬れば確実に死ぬ。

 そして―――


 ガシャン――ザク――という音と同時に魔物の動きは止まる。

 急所を狙った的確な攻撃で息絶えたらしい。


 わたしは体が崩れてきている魔物の死体に手を合わせ、その場から立ち去った。


 


 その数時間後、私はあの後1度も魔物と遭遇することなく、順調に(?)進んでいた。

 そろそろ疲れたからご飯にしよ~♪とテントをはり、食材を出そうとしていた時のことだった。


「いやあああああーーー!!!誰か助けてーーーー!!!!」


「大きな声を出すなよ!」


「2人とも、落ち着いて」


 近くで悲鳴が聞こえ、その方をテントからひょこっと覗くと、鮮やかな紫色の髪の男の子と金髪の男の子と、またまた鮮やかな紫髪の女の子の3人組が5匹の魔物の群れと遭遇し、戦闘しているようだった。


 私はその3人を見るが、まあ大丈夫だろうとテントの中に戻ろうとしたのだが、


「あ!そこの赤い髪の子~!助けて~」


 女の子が声をかけてきた。

 で、その女の子の言葉を聞き、魔物と対峙していた男の子の1人が怒ったような口調で言う。


「その前にリリーがなんかしろよ!!」

 

 そこから大喧嘩に入りそうな雰囲気だった。

 もう1人の男の子はため息をついていて、完全に無視するようだ。

 

 そうしている間にも魔物はその3人に襲い掛かかる機会をうかがっていた。


 私は、やれやれとそばに置いてあった剣を手に取り、魔物の方へ向かった。



「わああ!ありがと~~!可愛い女の子~~~!」


 一瞬で決着をつけ、じゃあ、とテントに戻ろうとすると、女の子に抱き着かれ(タックルされ)た。

 なんとか引きはがそうにも、タコのようにべったりと引っ付いて離れない。


「えっと……まあ、助けてくれてありがとな」


「ありがとうございます」


 そう男の子2人もお礼を伝えてきた。

 まあ、素直に褒められて嬉しくないわけはない。

 いい気になっていた私は、気づくと3人をテントに招いていて、お茶をだし、ご飯を一緒に食べることを約束していた。


「ご飯まで……ありがとうございます」


 金髪の子が代表してお礼をしてくる。

 それを聞いた私は、自己紹介がまだだったことに気が付き、名前を言うことにした。


「そういえば、自己紹介がまだだったね。私はリューナ・クワソンというわ。よろしくね」


「!あーごめんね!!私はアマリリス・メールソンっていうわ!こいつ――リンドウのお姉ちゃんよ!」

 

 っと鮮やかな紫の髪に金色の瞳をした女の子――アマリリスが言うと


「俺は、リンドウ・メールソンだ!リリーとは双子なんだ、後リリ!先に生まれてって言ったって、1分くらいの差だぞ!?」


 っと鮮やかな紫色の髪に水色の目をした男の子――リンドウがアマリリスにつかっかていった。


「だからぁ~?」


「はあ!?」


 また喧嘩に発展しそうになる2人だがそれを無視して、金髪碧眼の男の子が


「僕は、ルイス・アンスリウムと申します」

 

 っと自己紹介をしてきた。

 

「この2人はいいの?」


「ええ。いつものことなので」


 これがいつもなら、こういう反応になるのかもな。


「そういえば、自己紹介を聞いてもびっくりしないなんてすごいですね」


「?なにがです?」


「えーっと、そこの2人は第1王子と第3王女様ですし…「そういうルイだって公爵家の跡取り息子じゃないか!」


 !?この人たち……そんなにお偉い人の子供だったの!?


「あーえーっと、ごめんなさい。敬語を使わないで……」


「んもーちょっとルイ!なーに余計なこと言っちゃってくれてんの!?気づいてないならそれでいいじゃない!んーとリューナちゃん!敬語はなしでこれから仲良くしてよ!」


 私がなんとなく謝ると、仲良くしよーと言われた。


「そうだぜー?まあ、あの後俺らだけでも大丈夫だっただろうが、リューナは助けてくれた恩人だしな!」


「僕も、ただ驚いて聞いただけなので、仲良くしたくないとかいうわけではありません」


 3人とも私に友好的で、今後も仲良くしていきたいと言ってくれた。


「………ありがとう!アマリリスちゃん、リンドウ君、ルイス君!」


 私はそう微笑むと、アマリリスがよろしくーー!とハグしてきて、リンドウとルイスも「よろしく」と言ってくれた。

 今日は洞窟の池でとった焼き魚にしようかと考えていたが、4人になったため、鍋に変更し楽しくワイワイ食べた後、私の話を聞いて3人は何故か私とゴールまで一緒に行くと決め、交代で見張りをしながら睡眠をとった。

 

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