15リューナの誕生日 ―馬車―
メナードさんが手配してくれていた馬車はとても大きくて、細かく美しい彫刻があり、揺れも少なく、座席は乗り心地がよく、とても最高だった。
馬車を初めて見た私でも分かる。これはかなり――いや、めっちゃくちゃの高級馬車だということを。
それをリューナの家族は当たり前~みたいな雰囲気で乗っていたから、本当に貴族様はすごいなぁと思った。
そしてその馬車の中で――
「リュリュ。今日のお出かけで約束をしてほしいことがあるんだ」
とフェルナンドさんが話を切り出してきて、次にメナードさんが、
「絶対に、無理をしないでほしいの」
と私に伝えてきた。
私はそれを聞いて、
「もちろんですよ!でも……私、無理をしたことなんてありませんし……」
と返したが、
「なら、前、勝手に運動をしようとして、倒れて家族に心配をかけたのは誰だっけ?」
といわれてぐうの音も出なくなってしまった。
ジョージ、ジョセフ、エドワードはその様子を見て時々クスクスと笑っていたため、ちょぉ~っとムカついていたけど、メナードさんが注意をしてしゅん。となっていたため、ざまあみろと思っていた。
とまあ、そんな裏話は置いておいて、
私がフェルナンドさんとメナードさんと約束したことは、大きく3つ。
『1.無理をしないこと
2.なにかあったらすぐに言うこと
3.迷子にならないこと 』
その他にも小さな約束がたくさん。
たくさんありすぎて、全部は覚えられてはないけれど、覚えた約束はきちんと守る!そう考えていた私だった。
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