表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/53

12エド兄様

つい最近テストがあったのですが、また今週にもテストがあり……

大丈夫ではないかもしれません(汗

 運動を始めて半月後―――


「ふう。今日の運動はこれで終わりね」


 私はなんと今はちょっとだが、走れるようになっていた!

 始めの方は、ストレッチにウォーキングをするだけで、すぐに限界が来てしまっていたが、きっちり運動のノルマをこなし、少しずつ運動量を増やしていき、ランニングという初期の頃では考えられないことが出来るようになってきたのだ!

 

 ローゼ先生は、これをすごい早さで成長しているとよく褒めてくれていた。

 メアリーは私と2人きりのとき、大号泣していた。


 今日、私は屋敷から見えにくい庭の死角でランニングをしていた。

 ここには花がたくさん植えてあって、見るのも楽しい素敵な、お気に入りの場所だ。

 そしてノルマをこなし、部屋に帰ろうとしていたときだった。


「リュリュ。こんにちは」


 美形――エドワードは木の影から姿をあらわした。

 

「!?―――げぇ…なんでここに……あっ、ゴホン。お兄様、それでどうしてここに?」


 危ない危ない正直な心の声が漏れて聞かれるところだッ「リュリュ?げぇってなあに?」


 ビクゥッ―――ふう。私は何も言ってない。よしok!

 

「それでお兄様、どうしてここにいらっしゃられるのですか?」


 私はあわてて話題をそらす。


「んー?話題をそらされた気がするけどまあいいか。勉強の息抜きだよ。最近難しい課題と少々面倒くさい課題がたくさん出されててね。ここにきて花を見ると心が落ち着くんだ。そういうリュリュはここでなにしてたの?」


「えーっと、ひっ秘密です!」

 

 これは、ちゃんと達成するまで言わないと決めていることだから、秘密で押しとおすしかない!と考え、エドワードになにを言われても口を割らないように身構えていたら、


「ふうん。そっか、ならいいよ」


 とあっさり引き下がっていった。

 しつこく聞かれるのかも……と思っていた私は、予想外の行動にすこし驚いた。

 が、笑顔をつくり「ありがとうございます」と詳しく聞いてこなかったことに礼を言い、しばらく私が読んだ本やエドワードの面白い体験談などを話していたが、その時間にも終わりが来る。


「!――ごめんリュリュ、そろそろ時間だ。楽しかったよ、また今度一緒にお茶会でもしよ?」

 

「はい。楽しみにしていますわ」


 そうしてエドワードは私に手を振り館の勉強部屋に帰ろうとしたのだが、


「あっそうだ!リュリュさ、僕のことエド兄様って呼んでくれていたのに、今日は違うんだね」


 ドキィ―!

 私はドバっと冷や汗をかく。

 もしかして、いつもとは違う呼び方で呼んで、エドワードに怪しまれてしまったの!?


 まずいまずい……そう焦っていた私だったが、


「えーっと、今日、おにぃ……エド兄様と話すのが久しぶりで、緊張してしまって……あ!私もやることがアッタンダ―。ではさようなら!」


 と言い、逃げるようにしてその場から――エドワードの前から立ち去った私だった。

コメント、ブクマ、評価、いいねよければお願いいたします<(_ _)>




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ