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『賢き人との対話』より  作者: 富永正男
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6、自由についての対話

賢い人よ、私たちは神子のかけらの器として創造されたといいますが、どうして大いなる御方の御業によるにもかかわらず不完全なのでしょうか。


あなた方が不完全であるのは、それが悪しき者の亡骸である六大から創造されたからである。


それでは、私たちが悪を為すのは、この土くれのせいであるということでしょうか。


然り。悪しきものから悪しきものが生まれるのである。


しかし、私たちは善きことを為すこともできるのではないでしょうか。


それは、内なる神子のかけらによって清められるからである。


つまり、悪を為すのは肉により、善を為すのは神子のかけらによるということですね。


然り。


では、私たちは神子のかけらと肉の傀儡であるということにはなりませんか。傀儡の動きの良し悪しは操る者の巧拙によるのであって、傀儡の責任ではないように、私たちにも善悪の責任はないのではないでしょうか。とすれば、何故行いの故に裁かれるのでしょうか。


呟く者は裁かれる。


呟くことも肉の仕業ではありませんか。


魂もまた肉である。あなた方は本性的に僭称者の亡骸なのであり、魂もまたそうであって、総体偽りの世界に属することを忘れてはならない。


私たちは肉であり、本来須らく清められ裁かれるべき存在であるということですか。


然り。偽りの世界にあるものはすべて偽りである。清めと裁きを免れるものはない。あなた方もまた本来そうである。


何と酷いことでしょうか。私たちは器としてしか意味がないということではありませんか。そうだとすれば、創造の御業すら私たちへの罰でしかありません。


もう一度言うが、呟く者は裁かれる。神子の限りない御憐れみに免じて、今は聞き流そう。僭称者が居なければ、本来あなた方は存在しなかった。また、存在する必要もなかった。存在すべきは大いなる御方と神子と神々、そして我ら御使いのみであった。使命を全うすれば御使いの列に加わることができ、永遠の滅びを免れることができる。これ以上の恵みを望むことはあなた方に許されていないのである。


救世王が永遠の滅びを願った意味が分かりました。


それが真に我が友の思いであるかは確かめられ得まい。

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