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溺れる愚者は何にもすがる  作者: ゲテゲテ七福神
3/3

家に帰りつくと目につくのが祠だ


別に大層な祠ではない

我が家の氏神様だかなんだかを祭る祠


その傍らには井戸

こんな井戸なんて潰してしまえと思うが井戸を潰すのはあまりよくないらしい


タバコにまた手を付ける


昔はもっと自分が自分を理解できていた

今となっては自分が何をしたいのか、どうすべきか、趣味は?好きなものは?その中で自分が何をやらなくてはいけないのか取捨選択しながらうまく折り合いをつけられていたと思う


いつもなら素通りする祠の前でふと立ち止まる


たまには・・・と

途中コンビニで買ってきたみたらし団子でも供えてみる

供えたからには一応形だけでも手を合わせる


数秒たちふと我に返る


意味のない祈禱だよ

自分でも分かってはいる


しかしこれが現代日本人の礼儀なのだから形式だけでも沿わなくてはと思うのも確か


そして祠の傍にある井戸は今日も蓋をされたまま


実際、氏神様の祠なんかよりもこちらの井戸の方に親近感を覚えてしまう

貴ばれ、供えられ、ちやほやされている氏神など知ることか・・・と

水源まで身を掘られ、水を汲まれるだけに存在し、いざ文明が発達すれば特段必要だと思われずこうして蓋をされて何十年、壊してしまえばいいのに周りの風説ためそうはされない


俺と同じだ そう思いながらタバコを消し床に就く

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