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8話 勧誘

一旦自分の身に起こったことをまとめよう。

・死んだ

骸骨人(スケルトン)として生き返った。

・なんか人間になった。

…マジでどういうことやねん。

それにしても自分が何故か人間になったが、元の姿に戻れるかどうかすら分からない。というか、戻り方が分からないのだ。


「あーあー」


おお、声が出る!


「生麦生米ナマナマ…」


早口はいえなかったけどちょっと嬉しいな。

それにしても…


「これからどーしよ」


しばらくして気づいたのは腹が減らないことと寝ることが出来ないこと。もう日が暮れるが、睡魔はもちろん寝ようという気さえ起きない。


「なんでここにはゲームがないんだよ…」


ゲームさえあれば、おそらく無限に暇をつぶせただろう。ゲームに飽きることは彼にはほとんどないから。


「腹が減らないって言うのも考えものだよなぁ」


人間は食うために働き、金を貰い、その金で食うための食い物を買うのだ。ただし最初の食うことが必要なくなった途端、全て投げやりになる。なぜなら食わなくても生きていけるようになってしまったから。


「この辺のこともう少し調べておくんだったなぁ。なーんもわからん」


王城の図書室で色々調べたつもりだったが、地理の事も、サバイバル術も、こういう時に暇を潰す方法もわかんないのだ。


「他の国に行っても門前払いだろうな」


国はここ以外にも大きな3つの大国、そして様々な発展途上国や先進国があることは知っている。ただしそこの場所も知らなければ行き方も分からない。持ち物もない怪しい人物なんて門前払い一択だろう。


「なんかやることを俺にくれ〜」


社畜の気持ちが少しわかった気がした…その時。


「ありますよ」

「…!」


なんだか声が聞こえたような…


「後ろです」

「…!」


その声が後ろから聞こえ、びっくりして咄嗟に後ろをむく。そこには…


【右です】


と書張り紙が貼ってあった。そしてまた慌てて右をむくと…


【上です】


やはり張り紙が貼ってあり、慌てて上をむくと…


「キョロキョロすんじゃねぇ!」


と一喝された。


「はあ?張り紙が貼ってあったからしょうがねぇだろ!ってかあんたは誰だよ!とりあえずその木から降りろ!」


なんか気にぶらさがってる奴が居たからちょっとイラッとして強く言ってしまった。


「上位者なら普通魔力探知使って1発で俺様の位置ぐらい分かるだろ!」


いやまあ確かにね?使えばわかったのかも知んないけどさ、使うつもりなんて毛頭なかったからね?


「うっせぇとにかく降りろ!まず自己紹介!」


ってか最初の声の正体ってこいつだよな?こんな荒々しい口調だったなんて…敬語だったのに。


「はあ…しょうがないですね」

「やっと降りたか」


ってか口調戻ってるな。

「俺様はセルフィカルト!魔王軍第3軍隊(デモリエイト・サード)の隊長とは俺様のことよ!」


わかったぞ。こいつ丁寧モードと荒いモードがあるな。ってかこいつ魔王軍のやつなん?


「あっはい」

「今度はそっちの番ですよ」


俺に自己紹介しろって事ね…って俺勇者だったんですけど!?まさか俺のお命頂戴いたす!って事?…これは素直に話した方がいいのか…


「注意点をひとつ。嘘を言ってもすぐバレるのでご理解の程よろしくお願いします」


嘘やん…これは言わないと殺されるヤツやん…


「じゃあ条件があります。なにを言っても僕のことを害さないでくださいね?」

「いいだろう。お前が何を言おうと俺様含めた全員が手を出さないと誓おう!」


では気を引き締めて…


「俺は勇者であった石松守!ただし死んだ!そして骸骨人(スケルトン)になった!…これでいいか?」

「ほう…やはりお前が…」


えっちょっとやばい感じ?


「いいだろう。合格だ」


俺知らんうちにテスト受けてたん?


「これから俺様に付いてこい。案内する」

「ちょっと待ってくださいよ!いきなりどこに向かうんですか!?」

「…暇じゃなくなる場所。とだけ言っておきましょう」


あーもうどうにでもなれ!


「…わかりました」


・俺は骸骨人(スケルトン)になって人になり、魔王軍第3軍隊(デモリエイト・サード)の隊長らしき人に連れていかれることになった。…ただし、その目的も知らずに…



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