2話 異世界
(……ここは…どこだ?)
「…様!勇者様…目覚め…ました!」
(……何の…声だ?)
「…起きたか…」
…!!
(そうだ…俺は今学校で…)
「ならば…に行かねばな…ソフィアよ…行くのだ」
(しかし誰の声だ?学校では聞いたことない)
そして周りを見て驚いた。
(どこだよここ!!)
どうやら他のクラスメイト達も困惑しているようだった。
「ソフィア女王の御成である!」
誰だよ!…と思ったがいきなりすぎて声が出ない
しかしそれは正解だったようだ。なぜなら…
「お初にお目にかかります。私の名前は“トリア・フォルン・レス・ソフィア“でございます。この国の国王に代わり女王たる私が参りました」
…この国の女王だからだ。
って女王!?ってか綺麗な人だなあ髪の毛水色は染めてんのか?
「ちょっと待ってください。まずここはどこですか?」
おお、さすが光正。状況の飲み込みが早い。俺にはサッパリだ。
「貴様!ソフィア王女に対し無礼であるぞ!」
なんか鎧着た人がすげー怒ってる。誰だこいつ。
「まあまあいいではないですかゲイル近衛騎士団長。相手は勇者様なのですよ」
「…」
ゲイル近衛なんたらという人らしい。怒りっぽいなぁ。
「ここはどこかという質問に対してですが、ここは始原の国の一つ”トリア“でございます。この世界の四大国家が一つでございます」
…わかるか!どこだよここ!
「…わかりやすい説明ありがとうございます」
あいつわかったのかよ。すげー。
「ではここは日本ではなく、地球でもないということですね?」
…は?
「ニホンやチキュウが何か分かりかねますが、ここはトリア王国です」
…どういうことだ?
「なあ守、俺たちって学校にいたよな?ってかあの髭親父バケモンみたいな力してるぜ」
髭親父…あああのなんたら近衛って人か。
「そのはずだ…けど自信無くなってきた…ってか何で髭さんの力がわかるんだよ」
「いやぁ何となく」
もうわけわかんね。
「あとよ、ここって地球じゃないって言ってたよな?」
「ああ、言ってたな」
「…まさかここって地球とは別世界なんじゃねぇの?」
…はあああああああ!?
まあ確かにここは地球ではないと言われたらそうなるかもだが…
「そんなことありえんのか?なんか別の惑星に飛ばされた…とかかもよ?」
「いやだってよ、あの髭親父光正に向かって怒った時すげぇなんかうねうねしてたぜ」
いやどういう事だよ。
「見えないのか?なんかウネウネってしてうね〜ってなってるやつだよ」
あああ!もうわけわかんね!
そんなこんなしているうちに光正とソフィア?女王の話は終わったようだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「…というわけでここはソフィア女王が言うには王国トリア。そして俺たちはそれに呼ばれてやってきた勇者という事らしい。」
光正の話を要約すると、
・ここは別世界“トルトス”
・魔王がいる
・勇者に魔王を倒してもらいたい
・そっち(俺たち)の都合は知らん。すまない。
・ここは王国で恵まれた環境である。
そして…
・帰れる保証はない
と言う事だ。
これには帰らせろーだのふざけるなーだの非難殺到。それはそれは怖かった。
俺?俺はゲームのエンドコンテンツもっとやりたかったなぁと思っていた。他人事じゃないのにね。
なぜかわからないけど家族については誰も何も言わなかった。誰もが辛さを理解しているのだろう。俺ももちろん悲しい。だが俺は過去を見ないタイプなのだ。これからどうするかを考えよう。
「とりあえずソフィア王女は来週から戦う訓練を行うと言っていた」
はあ!?俺たちは警察でも自衛隊でもないんですけど!?早すぎない!?
ただこれには続きがあるようで…
「王女がいうには我々にはすごい才能があるらしい。どこまで信用できるが知らないが、大丈夫だろうと言っていた」
大丈夫じゃないんだよなぁ…運動も体育しかやってないし…それにすごい才能ってなんだ?そっちが気になるんだが。
「まあなんか部屋と食事が用意されてるらしいから今週は休んだ方がいい、だそうだ」
…なんでこいつはこんなに落ち着いてるのだろう…
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メシうめええええええ!
部屋広おおおおおおおおおおい!
最初の感想がこれとか語彙力どうにかしちゃったよ俺。
「守〜本当に異世界ってあったんだなぁ」
「そうだよなぁ」
「そうね。はぁ…家族に一言でも残したかったわ…」
「それはなんとかかんとかさんに言ってやれよ。なんとかしてくれるかもよ?」
「それよりすごい才能ってなんだろうな?」
それは確かに気になるな。なんかビームとか飛ばせるようになるのだろうか?
「拓人のはあれだろ。あのウネウネが見えるやつ」
「え〜まじ?なんかもうちょい派手なの欲しかったなぁ」
「いや十分だろ。例えば新ボスが出てそいつの力が不明の時お前だけがわかるんだぞ?」
「最高じゃないか」
初見クリアが余裕になるとかRTA勢からしたら喉から手が出るほど欲しくなる…
「私のはなんとなく見当ついてるけど…弱そう」
「何?」
弱いんか…いやもしや弱いと見せかけてつよいパターン説もあるぞ?
「いやぁ…あなた達ってあのソフィアって人何色に見えた?」
「俺は水色の綺麗な人だなあって。拓人は?」
「俺も同じく。まさか沙羅は違うのか?」
「私は真っ黒に見えたんだけど…」
「「はあ!?」」
…この世界本当わけわからん。