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19話 対面

今日はついに魔王様に会う日!なんの用か分からないけどちょっと不安でありながら楽しみ!


「今から謁見の間で魔王様と対面する。失礼のないようにな」


なるほど...相手は社長さんみたいなものか。緊張してきたな...


「オセルト様、マモル様、どうぞこちらへ」


そうしてしばらくしたあと、観音開きのでっかい扉が開いた。


「よく来たな、ニンゲンよ。我が名は”セレル・ウェス・ソリスト”。ここソリスト国の王だ」


そして予想どうりと言うべきか、やはり魔王様御本人だった。見た目は黒っぽい角が生えたイケメンな好青年と言ったところか。そして護衛とやらの姿は見えない。おそらくどこかに隠れているのだろう。


魔王軍第3軍隊(デモリエイト・サード)補佐官、オセルト。ただいま任務完了の報告をお伝えにまいりました」


...え?俺の番?なんかオセルトがかっこいい挨拶してから自分に”お前の番だぞ”という雰囲気が感じられる。そうならそうと先に言えよ!挨拶そんな長々と言わなきゃ行けねぇのかよ!


「...えー私の名は石松守と申します。元々人間でしたが骸骨人(スケルトン)に生まれ変わりました。よろしくお願いします」


...どうだ?結構即興にしてはいいと思う...


「ほう…やはりな…」


...高...印象?


「採用だ!嘘は言っていない!君には我々の参謀として働いてもらうぞ!」

「へ...?」


.....いやいやいやいや採用はやない?速すぎるよね?おかしいっしょ!しかもこんなぽっと出のやつがなんで参謀なんて高い地位に就くんだよ。ってかこれ採用試験だったのかよ!


「やはり君は”予言”通りの存在だ!これでこの国は...オッホン!どうだ?この話に乗らないか?」


そして初めとは人が変わったように喜んだ後に、我に戻って話に乗るかどうかを聞いてきた。...いや何の話だよ。


「それは...私が参謀になるということですか?」

「そういう事だ!」


...まあ自分のは損がない話だな。収入について聞くのは...野蛮か。まあ参謀だし払いはいいだろ。


「前向きに考えておりますが1つ質問しても宜しいでしょうか?」

「もちろんどうぞ」


とりあえず1番気になっていたことを聞いてみる。


「”予言”通りの存在とはなんでしょう?」

「...なるほど。まあ教えてやろう」


そうして昔話を始めた。


「およそ3200年前に予言があったのだ。内容は、『人の世に強大な存在が現れた時、同じくして魔族に強大な存在が現れる。そのものは人の世の者と同郷であり、死しても尚生き続けるものである...』というものだ」


そんな昔に予言があったのか...ってか何世代前の話だよ...


「そうしてごく最近人の世に”勇者”なるものが現れた。我らは予言の時が来たと思い、”予言”の存在である君のことを探していたのだ」


なるほど...だからすぐに採用されたし参謀という高い地位に誘われているのか。


「それならばその話に乗ろうと思います!」

「...ほんとか!ありがとう!これからよろしくな!」


この魔王様、怖いイメージがあって威厳が凄かったけど実際は気さくな魔王様だったな。


「そういや君のその左腕はどうした?」

「いやぁ斬られてしまいましてね...」


そういや今は何故か痛くないけどすっぱり斬られていたのだ。


「ふーん...」


そうして何かを考えたあとに話題を変える。


「まあその話はそれでいいとして...君は...?」

「ン?ボクはベルゼ!悪魔族(デーモン)だよ!マモルの眷属さ!よろしくね!」


こいついつの間に眷属に...ってか眷属ってなんだよ!


「ベルゼ!?あの”原始”か...まあ眷属化してるのならば問題ないだろう...」


なんかすごいらしいけどよくわかんないな…まいっか。




そうして突然の面接は採用?という形に落ち着いたのだった。突然参謀の役に就いた理由はその”予言”によるものらしい。あまり気負うなよ、と言われたのでまあ普通に暮らしてればいっか...と呑気に考えているのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


視点:紗羅


今日は冒険者としての活動1日目!記念すべき最初の依頼は...


「今日は花壇に飾る用の花をつみに行くらしい。まあ最初はそんなもんだな」

「えーなんか戦う系の依頼はなかったのかよ〜」

「なかった」


...お花摘みだった。


「まあしょうがないわよね。コツコツやって行きましょ?」

「そうだな...」


どんなすごい冒険者だって下積み時代があっただろう。


「そろそろ出発しましょ?」

「そうだな。早く出発しよう」


このパーティのリーダーはもうほぼ完全に白神になっていた。まあだれもリーダーシップがなかったからなのだが...


「じゃあ確認だ。食料、ハサミ、入れ物は持ったか?」

「大丈夫だ!」


何度も確認したから大丈夫...なはず。


「よし、なら行くぞ!」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


そうして道は分かれた。

片方は魔につき、片方は聖につく。

運命の神がいるとするのなら...この先どちらに微笑むのか。もしくはどちらにも微笑まないのか。それは、まだ分からない...

一章完結!

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