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11話 遺跡

次回は勇者君たちのはずです

「おっとその前にマモルよ、一つ聞くが、貴様は王国の民を見たことがあるか?」


そういえばないな。


「いや、会ったことも見たこともないぞ。理由は知らんが」


ぶっちゃけ人間関係に自信がなかったから会わなくても問題なかったんだよなぁ。


「そうか、つまらんことを聞いた。そろそろ行くがいい」


そう言われたので、とりあえず言われた方向に全力ダッシュすることにした。


(ま、流石に勝てるだろ)


そう思いつつ、全力で向かうのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「そろそろ5分たつか。彼奴はそろそろ着くだろうか?」


まあやることは変わらない。


「この5分でついていなければ貴様の負けだな」


そう呟きつつある魔法を使用する。


「彼奴にも情報の大切さを教えてやらねばな。“転移門(ゲート)”」


そして転移地点(ワープポイント)に設定しおいた魔王城の門前まで1秒にも満たない速度で到着するのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


(そろそろ3分ぐらい経つだろうか?)


向きだけを教えられたが、自分的にはずっとまっすぐ進んでいるつもりだ。だが、建物の影も形も見えない。

流石に不安が芽生えて来た。


(というか天気が曇りなの辛いな…)


明るさ的にはおそらく夜だが、魔力探知のおかげでよく見える。これはいいのだが、人間になった時に一応復活した視界と、魔力探知の視界がよく分からなくなるのだ。というか魔力探知の切り方が分からない。なので今は目を瞑っているのだが、それがやはりとても不安なのだ。


(まあ流石に俺を抜かしているわけないか)


なんて余裕を持ちながら、変わらずダッシュし続けるのだった。


(そろそろ疲れたな…)


ちょうど走り始めてから5分が経った。ただ、彼はここまで走り続けていることに疑問を覚えていないようだ。それよりも…


(おお!あの建物が目的地?)


自分よりちょっと右側に、大きな建物の影が見えた気がしたのだ。


(あそこだな!よーし行くぞー!)


ただ、ゴールが見えたと思い、今まであった不安と疲れがかき消される。そしてすぐにでも走り始める。




そして到着…したと思ったのだが…


「なんだよこれ!」


そこには、誰がどう見ても遺跡にしか見えない建物があった。


「これが魔王城なのか?」


いや、明らかに遺跡だろう。それも廃城ですらない。


(というか俺ってなんで魔王城に向かってるんだっけ?)


ことの成り行きでそうなったのだが、自分は一応元勇者なのだ。なのにあんなに会話が成り立つのはどういうことだろうと冷静になった頭で考える。


(違う!今は自分がどこを目指しているかが分からなくなったのが問題だ!)


ここには方向がわかるものが何もないのだ。それにここに来るのにちょっと曲がって来たせいで、本来進むべき方向がわからなくなってしまったのだ。つまりは迷子だ。


(ここに入るしかないのか…)


下手に動いてさらに状況が悪化すると良くないが、何もしないと勝負に負けになってしまう。かなりの不安を胸に、守は足を遺跡へと進めるのだった。




「絶対ここ違うだろー!」


この遺跡に入ってみたが、人の気配もなければ生き物の気配すらもない。

入って少し経ってから目的地の魔王城ではないと確信したが、引き返すには少しばかり遅かった。

入らなければよかったと思う反面、ここには何があるのだろうという好奇心もある。


「ここからどーするかなー」


ゲームならミニマップがあるし、というか紙があれば書いていたと思うが、そんな便利なものがあるはずもないので、ここがどこかすら分からないという有様だった。


「とりあえず道なりに進むか…」


今更帰ろうと後ろに向いたらそれこそ迷う自信があったので前に進むしかないのだ。




「こういうところにはトラップがあるもんじゃないのか?」


こういう古代っぽいところにはトラップやゴーレム的な存在がいると思っていたのだが、実際は全く見ない。

ただただ、曲がりくねった道があるだけなのだ。


「あ、あれは!」


守はあるものを見つけた。それは…


「宝箱…ではないな」


何かを入れる箱だった。そろそろ好奇心が後悔に変わり始めていたので、この発見は少し嬉しかった。


「うーん、まあとりあえず開けてみるか」


こういう時にもゲームの知識…人喰い宝箱(ミミック)の存在も頭の片隅に入れておく。


「ザ•オープン!」


こういう時にテンションが上がるのは人間としての反応だろう。

そして中身を見ることになる。


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